使用したモチーフは、メンズ同様、工具を組み合わせて作る"モンスター"や、散らばったガラスの破片に映り歪んだ山々、壊れた床のジグザグ模様などさまざま。カラーパレットにも"ルナ・ライム"や"ローラ・ライラック"などリンチの作品の登場人物にかけたものを用いるなど、随所にリンチの世界観を投影した。ただ、今季は、それらをプリントやジャカードで表現するだけでなく、プリントの上に同じ柄のチュールを重ねたり、スパンコールや刺繍の立体的な装飾で描いたりとクチュールライクな手の込んだ技法で、シャープなテーラリングアイテムやフレアシルエットのドレス、タイトなニット、オーバーサイズコートなどにのせた。
また、細身のスーツにネオプレンのフレアスカートを合わせたり、中綿の入ったボリューム感のあるセットアップのウエストを太いベルトで絞ったり、コンパクトなセーターの上にボリュームのあるフレアドレスを重ねたり、スタイリングでみせるボリュームのコントラストもポイントだ。
日本では、今シーズンから、八木通商がケンゾー パリと設立した合弁会社ケンゾー パリ ジャパンがディストリビューションを行なう。今後のブランドビジネスの動向にも注目したい。