情報開示への外圧が高まる一方で、複雑なサプライチェーンを透明化する効率的なノウハウは確立されていないのが現状だ。世界ではそんなアパレル企業にソリューションを提供するスタートアップ企業が続々と誕生している。(この記事は「WWDJAPAN」2023年8月7&14日号からの抜粋です)
トラストレース(TRUSTRACE)
本社:スウェーデン
設立年:2016
資金調達額:770万ドル(約10億8570万円)
アディダスやアシックスが活用する
ゲームチェンジャー
スウェーデンを拠点とするSaaS企業のトラストレースは、サプライチェーンを可視化するプラットホームサービスを提供する。アディダスやアシックスなど、大手グローバル企業約55社が活用を進める注目企業だ。
トレース作業の効率化にはデジタル化が必要だ。同社のサービスでは、縫製・紡績工場などのサプライヤー情報をクラウド上に集約して一括管理できる。世界の約1万のサプライヤー情報を集めたデーターベースを持ち、拠点や労働者数などの基礎情報に加えて、約14の監査機関が公表している監査データや認証取得情報なども網羅している。サービス利用企業が提出したサプライヤーリストをデータベースと照らし合わせ、各工場の労働環境や環境負荷などのリスク特性を分析できる点が強み。リスクが高いサプライヤーが判明した場合には、追加のアンケート調査を行ったり、現地監査を行ったりといった対処を依頼できる。第一次サプライヤー以降は、第一次サプライヤーに取引先リストを要求し、同様のプロセスで追跡していく。
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