ファッション

「プラダ」2015年春夏ミラノメンズ これが「プラダ」流ノームコア!?ステッチ以外、デザインを排したミニマリズム

 「プラダ(PRADA)」の2015年春夏メンズ・コレクションは、ミウッチャ・プラダ流の“ノームコア(普通を極めたスタイルのこと、と言われている)”なのか!?一見すると、ディテール以外のデザインをほとんど削ぎ落したかのような、究極にシンプルでミニマルなコレクションだ。

 「WWD-NY」によると、バックステージでミウッチャは、「欲しいモノはリアルなモノ。今はクレイジーな時代じゃない。コンサバこそが、一番新しい」と話したという。その言葉通り、コレクションは徹底的にシンプル。2ボタンのジャケットで構成するフォーマルも、Gジャンのようなワークウエアで作るカジュアルも70年代のスタイルがベース。デニムとキットモヘアで表現した。シルエットもひねりのないシンプルなもの。唯一目を引くデザインは、コントラストカラーで加えたステッチワークだ。

 ところが、このディテールをしっかり見ていくと、もちろん多くのステッチは裾やラペル、ポケットのフラップなどをトリミングしているが、いくつかのステッチはデザインが存在しないところを走っている。いわば、ステッチを加えることでポケットがあるように見せているトロンプルイユ(だまし絵)だ。いくつかのデニムパンツは、バックポケットに沿ってステッチが走っているように見せているが、本当はお尻にポケットは存在しない。ディテールで見た目と、実際の洋服の構造の違いを楽しませているようだ。

 コレクションにトロンプルイユというアイデアが流れていることを知ると、今度はディテール以外にもう一つ、見た目と実際の構造が異なっていることに気付く。素材だ。おそらくいくつかの素材は、レザーに似せたゴムやネオプレンのようなものだったり、デニムに似せたウール地だったり、その反対だったり。ワークジャケットをウール地で生み出すなど、通常とは異なる使い方も散見された。最終的な見た目は極めて普通だが、そこに素材、そしてディテールという2層において普通という概念を裏切ったコレクションなのかもしれない。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。