ラインの使い方は、様々だ。シンプルなボーダーやスクエア(ウインドー・ペン)、ジグザグはもちろん、格子を左右の身頃でそれぞれ傾け、体の中央で合わせることで谷のようなモチーフにしたり。用いる色とピッチも千差万別で、ボディコンシャスなニットにはコントラストカラーで細いラインを、ボリュームシルエットのブルゾンには同系色で太いラインをのせていく。ラインは、素材と素材の組み合わせでさえ描かれる。時には生地にレーザーカットで切れ目を入れ、それをラインと見たて、ハリのある素材で作ったボリュームシルエットを引き締める。また、オーガンジーのように透明な生地はコットンやシルクとつなぎ、ボーダー状に配列。トレンディなビッグシルエットの布帛Tシャツとなった。ここでは、生地を熱接着することで縫い目を排し、ミニマリズムを追求。近年の「エンポリオ アルマーニ」が個性とする、革新素材やテクニックで生み出すスポーツマインド漂うスタイルの代表例だ。
スポーツマインドは、足元にも現れた。シューズの大半はラバーソールで、ここにもジオメトリックなラインが加わっている。バックパックにもラインなのは、言うまでもない。