デニムは、履き込んでダメージさえ現れたヴィンテージタイプの表面をデータとして取りこみ、それを転写プリントでレザーに落とし込んだ。転写プリントしても違和感を覚えないのは、布帛のように柔らかいレザーを使用しているから。一方のメッシュは、レザーからレーザーカットで無数のだ円形をくり抜いたもの。穴だらけながら洋服に使える程度の強度を保っているのは、これもレザーのなめし方やレーザーカットの工夫によるところが大きい。
トロンプルイユ以外では、クレイジーカラーのマルチボーダーニットや、「バッグ・バグス」を描いたブルゾン、ムートンで作る電球などのアクセサリーがユニーク。高級素材を自由奔放かつ遊び心たっぷりに加工し、ラグジュアリーな素材が押しつけがちな過度の緊張感を排除。現代の日常生活にふさわしいウエアに落とし込んでいる。