ファッション

「ヴァレンティノ」2015年春夏パリメンズ 若さと着心地、そしてファンタジーの進化は止まず

 「ヴァレンティノ(VALENTINO)」の2015年春夏メンズ・コレクションは、メゾンが命題として取り組む「オートクチュールのクラフツマンシップを未来に」のメッセージがより一段と鮮明になった印象だ。これまでカモフラージュ柄、スタッズ、そしてデニムでメンズの刷新を印象付けてきたが、いよいよそれが広く浸透し、“第二段階”に突入したのだろうか?新たなシルエット、スタイル、そして、これまで以上のクチュリエとしてのプライドに溢れている。

 まずシルエットは、時代に呼応したドロップショルダー&オーバーサイズのアイテムがバリエーションを増している。布帛で作るTシャツを筆頭に、ムースのような素材によるフィールドジャケット、裾にドローストリングを加えたフーデッドパーカなど、すべてがユルいシルエット。クラフツマンシップを詰め込んで生み出しているからこそ、その“ユルさ”は“だらしなさ”にはつながらず、“若々しさ”をもたらす最大の要因となっている。着心地は、パジャマのようなシャツとパンツ、ジャケット、コートなどで提案。これまた“ユルい”アイテムだからこそ、エンジやネイビーなどの落ち着いたカラーパレットを基調とし、またクラシックな花柄などを散りばめることで大人っぽい雰囲気にまとめた。

 そしてクチュリエとしてのプライドは、半年前に発表した14年春夏オートクチュール・コレクションのキーモチーフとなった蝶々、そしてさまざまな動物。蝶々は太いベルトのトレンチコートに刺繍で描かれ、その他の動物はたとえばジャカード、たとえばレザーのカットワークで表現された。こうしたモチーフをのせたトレンチコートやスエードのブルゾンは、序盤のオーバーサイズと異なるジャストサイズ。たとえ時代が変わっても常に楽しむことができるよう、正々堂々のアイテムに自信満々にのせている。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。