コレクションは春夏にもかかわらず、暗い会場の中に溶け込む深いネイビーやボールドカラーが中心。インナーには、メッシュのタンクトップと和柄プリントのトップスをレイヤードした。ショールカラーがそのまま首元から背中にかけてセーラー服の襟のように垂れ下がったアウターがキーアイテムだ。背面に、赤富士のイラストや錦鯉の写真といったジャポニズムのプリントをパッチワークした。
中には、「ラフシモンズ」「ラフ」といったカタカナのロゴ刺繍や「漂流者」の文字をのせたグラフィックも。シャツの胸元には、イニシャル「RS」のロゴワッペンをプラス。これらのモチーフは、暗闇とのコントラストによっていっそう目を引き、ロゴやモチーフをのせたキャッチーなアイテムが席巻した昨今のメンズのトレンドを皮肉っているよう。視覚に訴えるコレクションを強調したかったのか、ラフの真意はわからないが、スタンディング形式をとった会場内では来場者が目を凝らして、彷徨うように繰り返し行き交い“漂流”するモデルの姿を追いかけた。