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ケリング、主力「グッチ」の不調で23年上半期は減益 北米の景気減速も響く

ケリング(KERING)の2023年1~6月期決算は、売上高が前年同期比2.1%増の101億3500万ユーロ(約1兆5709億円)、営業利益は同2.4%減の27億3900万ユーロ(約4245億円)、純利益は同9.7%減の18億4600万ユーロ(約2861億円)だった。

地域別の売上高は、観光客が増加した西欧が同5.1%増の27億3900万ユーロ(約4245億円)、中国が復調したアジア太平洋地域(日本を除く)は同11.1%増の37億1000万ユーロ(約5750億円)、インバウンド需要が回復しつつある日本は同18.4%増の6億8300万ユーロ(約1058億円)と好調だった。北米は景気減速による国内需要の低下や、アメリカ人観光客が対ドルでのユーロ安を背景に旅行先の欧州で買い物をする傾向にあることから、同16.2%減の22億6600万ユーロ(約3512億円)だった。

ブランド別の売上高は、主力の「グッチ(GUCCI)」が同0.9%減(現地通貨ベースでは同1%増)の51億2800万ユーロ(約7948億円)だった。不調が続く同ブランドは転換期にあり、22年11月に退任したアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)前クリエイティブ・ディレクターの後任として、23年1月28日に「ヴァレンティノ」出身のサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)を任命。また、ミケーレと二人三脚で「グッチ」を立て直したマルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)社長兼CEOも、デ・サルノ新クリエイティブ・ディレクターのデビューショーを見届けた後、9月23日付で退任する。ケリングによれば、後任は9〜10月から探し始めるため、当面は同社のジャン・フランソワ・パリュ(Jean-Francois Palus)=マネージング・ディレクターが暫定的に同職を務める。

ほかの主なブランドとして、「サンローラン(SAINT LAURENT)」は同5.8%増の15億7600万ユーロ(約2442億円)と堅調だったものの、「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は同0.1%減の8億3300万ユーロ(約1291億円)だった。「バレンシアガ(BALENCIAGA)」が属するその他のメゾン部門は、同5.1%減の18億5600万ユーロ(約2876億円)だった。

なお、ケリングは7月27日、ヴァレンティノ(VALENTINO)の株式の30%を、同ブランドを擁するカタールの投資会社メイフーラ・グループ(MAYHOOLA GROUP以下、メイフーラ)から17億ユーロ(約2635億円)で取得した。取り引きは23年末には完了する見込み。これは両社のより幅広い戦略的提携の一環で、契約にはケリングが28年までにヴァレンティノの株式の100%を取得するオプションが含まれているほか、メイフーラはケリングの株主となる可能性があるという。

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