「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」の2015年春夏メンズ・コレクションは、軽やかに舞うバレエダンサーのワードローブと、現代の男性のリアルクローズを重ね合わせた。バレエダンサーのルドルフ・ヌレエフと振付師のアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルにインスパイアされ、レオタードやショートパンツ、レギンスといった彼らのトレーニングウエアにストリートやミリタリーをミックス。異なる要素をミックスして新しいエレガンスを打ち出すドリス・ヴァン・ノッテンならではのアプローチには、今シーズンのメンズのトレンドもたくさん潜んでいる。
優しく体を包むリラックスしたワイドシルエットのウエアは、コンパクト丈のジャケットにロングトップス、ショーツといった縦長のIラインシルエットを強調するレイヤードでまとめた。足元の継続トレンドのスリッポンは、バレエシューズ風にアレンジ。ハイウエストで合わせるリラックスシルエットのパンツはもちろん、トレーニングパンツを模したものだ。
シルクサテンやビスコース・クリープ、キュプラといったとろみのある素材を多用することでドレープが生まれ、しなやかさと躍動感を持たせる。ゴールドのエンブロイダリーで飾ったハーネスは、コーディネートをルーズにせず引き締める重要なアクセサリー。柔と剛のバランス感覚は、ヌーディなシャンパンゴールドとネイビーといったコントラストを利かせた色合わせにも象徴された。
FRONT ROW
「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」2015年春夏パリ・メンズ・コレクションでは、ロックバンド「レディオヘッド(Radiohead)」のベーシストのコリン・グリーンウッド(Colin Greenwood)がフロントローに姿を見せた。コリンは、2014年春夏のショーで、ベースの生演奏を披露したことも記憶に新しい。ショー当日に誕生日を迎えた彼は、「ミュージシャンもファッション・デザイナーのように、時代の先端を行き、いつも魅惑的で挑戦的でいなくちゃね」と話した。