「WWDJAPAN」のソーシャルエディターは毎日、X(Twitter)やFacebook、Instagram、TikTok、そしてThreadsをパトロールして、バズった投稿や炎上、注目のトレンドをキャッチしている。この連載では、ソーシャルエディターが気になるSNSトレンドを投げかけ、業界をパトロールする記者とディスカッション。業界を動かす“かもしれない”SNSトレンドの影響力や、投稿がバズったり炎上してしまったりに至った背景を探る。今、SNSでは何が起こっているのか?そして、どう向き合うべきなのか?日々のコミュニケーションのヒントにしたい。今回は、注目の新ビューティブランドを取り上げる。
ソーシャルエディター浅野:「プラダ(PRADA)」とロレアル(L’OREAL)がメイクアップとスキンケア製品の発売を発表しました。すでに公式サイトでは販売をスタートし、ヨーロッパを中心に拡販するようです。もはやラグジュアリーなファッションブランドのビューティ市場参入に大きな驚きはありません。むしろ「やっとこのブランドからもコスメが出る!」といった感じで、SNSでも驚きよりも期待のほうが大きいようです。すでに公式サイトで注文したアイテムを手に入れた猛者も現れています。アイテムのビジュアルもひと目で「プラダ」とわかるロゴとスタイリッシュなデザインで、これがかなり大事だと感じています。「シャネル(CHANEL)」や「ディオール(DIOR)」などは、モノの良さはもちろんですが、アイコニックなデザインや統一した色調で、ひと目でどこのブランドか伝えています。やっぱり「このブランドを使っている」という満足感は、とても大きいんです。比較的最近ビューティ市場に参入した「エルメス(HERMES)」も、カラーとロゴが象徴的です。身も蓋も無い言い方ですが、やっぱりみんな“わかりやすいブランド”が好きなんですよね。とくにアジア、日本はその傾向が強いように思います。
カラーラインアップはなかなかエッジが効いている印象で、「日本人的にはどうなんだろう?」とSNSの反響を拾っていたのですが、好意的な意見が多いようです。「ファッションブランドらしい」と、すでに既存のビューティブランドとの差別化に成功していそうです。デジタルメイクアップアーティストとのコラボや、AI(人工知能)を使って開発したソフトフィルター技術搭載のファンデーションなど、テック×ビューティというのも面白いですよね。
記者村上:「プラダ ビューティ」は日本上陸が楽しみでしかありませんが、すでに「プラダ」のビューティ、現段階ではほとんどがフレグランスであろう事業の規模が1000億円レベルであることに驚きました。「(メイクアップとスキンケア製品の)年間の売上高は約2億5000万ユーロ(約392億円)と推定される。 業界筋によると、3年後には『プラダ』のスキンケアとメイクアップがブランド全体のビューティ事業の25〜30%を占めるとみられている」から推察できます。年間売上高は400億円に上るのに、それでも全体の1/4〜1/3なんて、フレグランスの事業規模の大きさが伺えますね。
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