ファッション

「コム デ ギャルソン オム・プリュス」2015年春夏パリメンズ ミリタリーのユニフォームをロックに壊して訴えたラブ&ピース

 「コム デ ギャルソン オム・プリュス」の2015年春夏メンズ・コレクションは、かつてランジェリーショップの「エタム」が入っていた巨大な建物の2階。現在は改装中のため閉鎖している館内は、内装がはがされ、がらんどうの無機質な雰囲気が漂う。ここに、L字型のランウェイを敷いた。

 川久保玲は今季、ミリタリーウエアにパンクやロックの要素をプラス。フィンランドのロックバンドであるレニングラード・カウボーイズを彷彿とさせる、先端が異様に長く尖ったサイドゴアブーツをはいたリーゼントヘアのモデルたちが、ゆっくりとランウェイを闊歩する。基本は、あちこちにつけたポケットとまばゆい金ボタンがアクセントのジャケットに、ワイドショーツ。バックスタイルにテールコートのディテールを加えたり、キルトスカーフ風のエプロンをレイヤードしたりとクラシックな装いだが、そこに大きなハニカム模様のメッシュのオフィサーコートをレイヤード。まるでフェンス越しに見るソルジャーの姿のようにも見える。さらに、レオパードの切り返しを随所に盛り込むことで、ミリタリーをパンキッシュに崩した。

 クロスや星柄(何かが爆発している様子にも見える)のようなモチーフを散りばめた白のセットアップのパートを経て、後半になると、列をなして登場したソルジャーたちの洋服に川久保玲の強いメッセージがのせられた。囲われた世界の中で戦争やいさかいに戸惑う戦士たちの、複雑な胸中を表現したのだろうか。胸の高い位置で留められたタイトな4つボタンのダブルポケットジャケットには「strong love(強い愛)」「peace(平和)」「empathy(共感)」「soldier of peace(平和の戦士)」といった落書きを走らせた。

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