サザビーリーグは今秋、ECブランド事業部でウィメンズ服飾雑貨の新業態「ピモンテ(PIMENTE)」を立ち上げる。主にジュエリー、シューズ、バッグで構成し、9月7日から自社ECで販売。ラグジュアリーブランドのジュエリーや雑貨で値上げが相次ぐ中、ファッションとのコーディネートが楽しめる「小物のセレクトショップ」としてリアリティーのある価格の商品をそろえ、40〜50代女性を中心対象に打ち出す。初年度の売り上げ目標は1億5000万円。
ベイクルーズで、シューズブランド「ルタロン(LE TALON)」の立ち上げやEC事業部を経験し、2022年春にサザビーリーグに入社した本間利絵がディレクターを務める。商品構成は50%がジュエリー、25%がシューズ、10%がバッグ、15%がハットやレッグウエアなど。買い付け商品もあるが、デビュー時はジュエリー、シューズでオリジナルをそろえ、追ってバッグでもオリジナルを企画する。
「年齢を重ねるごとにジュエリーがどんどん好きになってきた。服はベーシックなトラッドスタイルで、小物でスパイスアップする着こなしが好き」と本間ディレクター。市場全体として服でシーズンごとのトレンドを追う傾向が年々弱まっており、雑貨重視という同様の声は女性たちからよく聞かれる。また、「ハイブランドのジュエリーはどんどん価格が高騰していて、いくつも買ってコーディネートによって付けかえるというのは難しい」とも。価格高騰についてはバッグやシューズも同様だ。「バッグやシューズで、分かりやすすぎるブランド品ばかりを組み合わせるのはちょっと恥ずかしい」といった思いもある。
オリジナルのジュエリーはインドと山梨・甲府で生産しており、10金、14金の地金にラピスラズリやアメシスト、ガーネット、タイガーアイなどの色石を組み合わせたリング(4万円台〜30万円前後)や、18金にパヴェダイヤを組み合わせたリング(30万円前後)、片耳用のダイヤモンドのアルファベットピアス(2万円前後)など。「ラダ」「ポリーナ」などの買い付けで1万円台のコスチュームジュエリーもそろえるが、「長く使えるもの、手元に残るもの」を軸とし、オリジナルではコスチュームジュエリーは企画しない。
二極化する市場の空白に注目
オリジナルシューズは国内か中国で生産するが、レザーやパーツはイタリアなどから仕入れたものも多い。インポートシューズのような感覚で、日本人の足形に合わせた作りというのがポイント。デビュー時には、ビットローファーやバックスリングの5センチヒールパンプスなどをそろえ、ソックスやタイツとのコーディネートで提案する。オリジナルシューズの中心価格は2万円台半ば〜3万円台。仕入れは「ネブローニ」「ファビオ ルスコーニ」など。
バッグはデビューシーズンはオリジナル商品の生産背景が整わず、買い付けのみ。「トラモンターノ」「ボルダリーノ」といったブランドを、合同展「ミペル」などで買い付けた。チェーンバッグやエンベロープクラッチなど、スタイリングのポイントになるデザインをそろえる。価格は3万〜6万円台が中心。「10万円を超えてしまうと、ラグジュアリーブランドのセカンドラインのバッグと差別化ができない。一方で1万〜2万円台では質感に満足できない」というニーズを取り込む。
23年秋冬は自社ECのみで販売するが、10月にはルミネ新宿1の2階でポップアップイベントも予定する。「EC事業部発のブランドではあるが、コロナが明けて実店舗にお客さまが戻っている。ECに固執せず、将来的には出店も考えていきたい」と本間ディレクター。サザビーリーグにはジュエリーブランドとして他に、「アガット(AGETE)」や同じEC事業部が手掛ける「アルティーダ ウード(ARTIDA OUD)」があるが、服を含むトータルコーディネートで世界観を見せるのが「ピモンテ」の特徴。そこで、ECのサムネイル画像などは物撮りではなくスタイリング写真を使用し、デビュー時のイメージビジュアルは、ジュエリーディレクターの伊藤美佐季をスタイリストに起用した。リング、シューズのサイズ交換は送料無料で受け付ける。