ライラック、白、グリーン・ブルーなどの色や、緑のアーチや大きな鏡に採用した曲線など、インテリアに見る色と形のグラフィカルな構成は、そのまま服やバッグのデザインにつながっている。グリーンからブルー、グレー、白にかけてのカラーパレットや、葉のモチーフ使いがコレクション全体にオーガニックな印象を与える。
深いVゾーンのミニドレス、カットソーとキュロット、ライダースジャケット、パンツスーツなどアイテムはスタンダードなものばかり。コットンのように見えるシルクや、レザーのようなナイロンなど、見た目を裏切る素材使いや、レザーカットやパンチングといった加工技術がスタンダードアイテムを新しいワードローブとして昇華する。特にレーザーカットの技術はポイントで、レザーに穴を開けたり、スカートの裾を円形にカッティングたりすることで、ミニマムな中に柔らかさを加えている。エプロンを巻くように、レザーを結んで着こなすドレスが印象的だが、それも非常に柔らかいレザー使いとカットワークがあるから実現するものだ。
アレッサンドラ・ファッキネッティがデザイナーに就任して3シーズン目。来場者の女性の多くは、過去2シーズンのコレクションを身につけている。2015年春夏のコレクションはそんな来場者たちが今すぐレイヤードしても違和感がなく溶け込み、少しだけ新しいムードを加えそうだ。フェッキネッティが提案する“エターナル”なワードローブはゆっくりとだが、丁寧に少しずつ確実に幅を広げている。バッグは3つの新しいデザインが登場。巾着型などよりトレンドを取り入れたものもある。シューズは、安全ピンをモチーフにしたものが新しい。