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プチプラで硬派、アリシア・キーズ参画のE.L.F. ビューティとは?

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【連載】ファッション業界人も知るべき今週のビューティ展望

ビューティ賢者が
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ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、世界63位だが注目すべきビューティ企業の話。

矢野貴久子/「BeautyTech.jp」編集長  プロフィール

雑誌編集者を経て1999年からデジタルメディアに関わり2017年、アイスタイルで媒体開発に着手。18年2月に美容業界のイノベーションを扱うメディア「BeautyTech.jp」の編集長に就任

【賢者が選んだ注目ニュース】

「WWDJAPAN」が2022年度の世界のビューティ企業ランキングを発表した。パンデミックを経て、それぞれの企業の好・不調が本当に明確になってきたのは記事にもあるとおりだ。

売り上げが5兆円を超えた1位のロレアルは、以前も書いたがもはやぶっちぎりの勝ちパターンに入り、そのポートフォリオも隙なし、グローバルの営業拠点もパンデミック中に増やして中国への依存度を下げている。掲げる「ユニバーサリゼーション」戦略をこつこつと続け、現在の地位があるのだと感じた。

このランキングが面白いのは、こういったスーパーカンパニーでなくても、“ぶっちぎり感”をもって成長している企業を毎年確認できることだ。たとえば、今回63位のE.L.F.ビューティはその筆頭だろう。

同社の主力ブランドの「E.L.F」含め日本には上陸していないこともあり、あまりなじみはないかもしれないが、2004年の創業当時は日本でいうところのプチプラメイクアップブランドとしてスタートした。キュートなパッケージと1〜3ドル(約140〜520円)という価格帯ながら高品質で人気ブランドとなったが、ほかのプチプラメイクブランドと異なったのは、早くから明確にクリーンビューティでありエシカルであることを打ち出した点だ。クルーエルティフリーやヴィーガン処方であること、同時にBLMやLGBTQ+といった社会的なムーブメントを支援するメッセージ発信にも熱心で、共感するZ世代から支持を得ている。

また、美容業界でいち早くTikTokマーケティングを実施し、大成功をおさめたブランドとしても知られている。認知度からファン化するプロセスもCRMツールを用いてアプローチやメッセージの最適化をはかり、コアなファンにはロイヤリティプログラムで特別感を醸成する。発信するコンテンツも豊富で、顧客とのコミュニケーションという意味ではもっとも全方位で取り組んできた企業ではないかと思う。

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