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「SK-II」グローバルCEOが描く成長戦略 「ピテラ™️の奇跡をあらゆる手段で伝えたい」

「SK-Ⅱ」は日本市場が復調の兆しを 見せており勢いを取り戻しつつある。昨年2月、P&Gコリア出身のスーキョ ン・リー氏がグローバルCEO(最高経営責任者)に就任した。7月末に東京・表参道で開催した「SK-Ⅱ」商品と独自成分ピテラ™️、美肌の秘密を解き明かす一般向け体験型イベント「シークレットキーハウス」 に合わせて来日したリーCEOに、直近の商況と今後の成長戦略について聞いた。

ピテラ™:特別な酵母の株を独自のプロセスで発酵させ生み出した「SK-Ⅱ」だけの天然由来成分(「SK-Ⅱ」独自のガラクトミセス培養液、整肌保湿成分)

「消費者は品質の重要性を感じている」

WWD:2022年2月の就任から1年半が過ぎたが、「SK-Ⅱ」を取り巻く環境にどんな変化があったか。

スーキョン・リーSK-ⅡグローバルCEO(以下、リー):世界的にポストコロナ時代となり社会情勢は変わってきている。私たちの日常生活においてはマスクを外せるようになったのが大きな変化だ。コロナ禍の3年間を経て、消費者は自然環境や体の健康、体に取り入れるものの品質の重要性を感じている。肌を露出することでスキンケアの品質にこだわりたい人が増え、「SK-Ⅱ」にとって大きなチャンスになっている。

WWD:変化に対してどうアプローチしたか。

リー:奇跡的な出合いで誕生した「SK-Ⅱ」の独自成分ピテラ™️を知ってもらうことに努めた。ピテラ™️は特別な酵母の株から独自のプロセスで発酵させ生み出した天然由来成分で、長年の研究でさまざまな肌への便益が明らかになっている。昨年開催したブランド初のメディアとインフルエンサー向けグローバルイベント「ワールド ピテラ™️ デー」は大変好評を博し、今年は 「ワールド ピテラ™️ マンス」として規模を拡大。7月には一般向け体験イベント「シークレットキーハウス」を実施し、ピテラ™️の科学や研究の結果得られた発見について改めて伝えている。ソーシャルメディア上でも、消費者が知りたい情報を適切なタイミングとプラットフォームで発信する努力をしている。また、スキンケアブランドに期待されているのは商品イノベーションだ。これらを徹底的に追求している。

消費者の声を聞くことを何より重視

WWD:足元の商況は?

リー:日本市場は春以降、インバウンドが急激に回復し、日本人客の消費意欲も上向き良い結果が出ている。その影響がシンガポールや香港にも波及しグローバルでも好調に推移している。日本は成熟した市場ではあるが、特にハイエンドのスキンケアブランドが伸びており「SK-Ⅱ」にはまだまだポテンシャルがある。消費者はより良い体験や商品、イノベーションとエンゲージしたいと思っている。私たちにはチャンスがたくさんある。

WWD:社内に対してはどのような働きかけを行ったか。

リー:元々の風土として備わっていたが、 改めて「より消費者の声を聞こう」「消費者のことをもっと知ろう」という点に徹底的にこだわるよう求めた。私たちはお客さまがどんなことに関心を持ち、どんな気持ちで毎日を送っているのかを考えることに多くの時間を費やすようになった。その結果、「もっとこんなことができるのではないか」など活発な議論が起きるようになった。ピテラ™️に対しても社内の理解を促進したいと考えている。本当に優れた成分なので深く知ろうと思うと終わりがない。その魅力を徹底的に周知し、イノベーションや新しい商品、サービスにつなげたい。

目指すのは優れた商品と体験の提供

WWD:中長期的な目標と、今年後半から来年にかけて実施する施策は?

リー:今「SK-Ⅱ」商品を愛用いただいているお客さまにより優れた商品を提供するのが一つの目標だ。そして、まだ出会えていない多くのお客さまにも「SK-Ⅱ」、そしてピテラ™️のことを知っていただきたい。お手入れの手応えを感じていただけるようどのようなサポートができるか、分かりやすい提案を考え抜く。私たちは肌に対しても高い情熱を持ちコミットしている。肌測定マシン「マジックスキャン」 はビューティ業界で最も進化しているツールの一つだ。画像解析により非接触で短時間のうちに今と今後の肌の状態について情報を得られる。自分の肌を理解するのに非常に役立つので周知していきたい。

「SK-Ⅱ」の“秋田10年肌研究”とは?

「SK-Ⅱ」は1999年、美しい肌を持つ女性が多いといわれる秋田県で、女性の肌の変化を追跡する調査 “秋田10年肌研究 ”をスタートした。5〜64歳までの108人の女性の肌を、ハリ、艶、シミ、シワ、キメなど10の項目で測定した。同一人物で加齢による肌の変化を追跡する調査は化粧品業界でも珍しく、その知見は今なお商品開発に生かされている。同研究を行った医学博士の宮本久喜三P&Gイノベーション リサーチ フェローは、「研究のきっかけは日本の南部と北部で肌の状態の違いを調べる調査。そこで秋田の人の肌が美しいことが分かり、10年肌研究につながった」という。

10年にわたる追跡調査の後、「SK-Ⅱ」商品を使用してもらい、さらに1年間肌の変化を追った。 研究に参加した佐々木志保さんは「10年は特別なスキンケアをしなかった。『SK-Ⅱ』を使ってからは手放せない存在になった」と振り返る。秋田とのつながりを強くするため今年、日本の美を発信する秋田川反の舞妓・芸妓との取り組みをスタート。「SK-Ⅱ」を使い始めて3カ月というまめ佳さんは「肌の調子が良くなった。 白塗りのノリも良く、気持ちも上向きになる」と話した。

問い合わせ先
SK-II お客さま相談室
0120-02-1325