ファッション

「ボッテガ・ヴェネタ」2015年春夏ミラノ ダンサーのしなやかな動きが服になったら?

 クリエイティブ・ディレクターのトーマス・マイヤーがどの色を選ぶのかは、ミラノ・コレクションのトレンドを占うひとつのポイント。今シーズンの「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」で印象に残った色は、会場のセットにも使われた石膏色。ファーストルックのレオタードとメランジュのニットに見られるグレイッシュな白が、多用されたブルーと併せてダンスをテーマにしたコレクション全体に清涼感を与えた。

 インスピレーションは「ダンサーの動き」。「リハーサルに向かうダンサーをイメージし、姿勢の美しい女性が腕を優雅に動かす様子や歩く姿を想像した」とマイヤー。アスレチックとしてのスポーツではなく、スポーツから受ける躍動感やヘルシーな感覚をラグジュアリーな服で表現している。シンプルなTシャツスタイルに加え、生地が流れるような左右非対称のフォルムを提案している。

 大きなノットを首元に作ったシルクサテンのカットソーや、前身頃にシャーリングをたっぷりと寄せた卵色のドレスなどがその一例。練習後にサッと羽織るイメージからか、ジャケットやコートの多くはボタンを留めないラップ型だ。カナリアンイエローのマキシ丈コートは着物を着流すように羽織り、裾をなびかせて歩く。足元はレザーのスニーカーか、レザーの細い紐を編み込んだバレエシューズで軽快だ。

 デニム素材とギンガムチェック柄のワンピースもキーアイテム。ダブルフェイスのデニムの表面と裏面をパッチワークし、さらに端を切りっぱなしにしたドレスは黒のスパンコール刺繍を施し、黒白の小さなギンガムチェックのドレスは上にチュールを叩き付けることで服に陰影を与えている。

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