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「プラダ」「ミュウミュウ」が百貨店で完全復調 【特別無料公開ビジネスリポート2023年上半期】

「『プラダ(PRADA)』がSNS効果もあり20代男女にヒット」「『ミュウミュウ(MIU MIU)』は30〜40代のファッション好きに服が売れている」。「プラダ」「ミュウミュウ」が国内百貨店各社の特選(ラグジュアリー)フロアで好調だ。長い停滞時期を経て、両ブランドとも国内では2022年秋冬シーズンから復調傾向が出ていたが、「2023年春夏は特に伸びている」という声が相次いでいる。(この記事は「WWDJAPAN」8月28日号付録「ビジネスリポート2023年上半期」と関連した特別無料公開記事です)

「WWDJAPAN」編集部は半期に1度、全国の有力百貨店に特選フロアの商況を取材し、本紙別冊付録「ビジネスリポート」にまとめている。今回は、2023年春夏(23年1〜6月)の商況を全国29の百貨店にアンケート調査すると共に、有力7百貨店には個別取材も行った。その結果、特選カテゴリーの売り上げ伸長率1位のブランドに「プラダ」が浮上。7位に「ミュウミュウ」がランクインした。それぞれ、前シーズンの22年秋冬(22年7〜12月)は4位、10位圏外だった。

「プラダ」については、「22年12月に1階ザ・ステージで行ったイベントが非常に好調だったが、そこから勢いはうなぎ上り。今夏(7月下旬)にザ・ステージで行ったイベントも好調。客層が完全に若返った」(伊勢丹新宿本店)、「インフルエンサーによるSNS拡散で若年層の新規客を獲得している」(西武池袋本店、博多阪急など)といった声が出ている。国内客に加え、急増している訪日客からの支持も厚い。

売れ筋商品として上がったのは、“リエディション”シリーズなどのナイロンバッグやハット、トライアングルモチーフのニットやシューズ、ブランド側が注力しているレザーバッグの“ガレリア”、エントリーアイテムのヘアクリップなど。バッグなど雑貨偏重の特選ブランドが多い中で、雑貨に加えてウエアも売れていることが特徴だ。「21年春夏にラフ・シモンズ(Raf Simons)が加入し、それ以降シンプルで着やすい服が増えたことも復調要因」(大丸松坂屋百貨店)という。

ガーリーテイストからシンプルに変化

ウエアが売れるという傾向は「ミュウミュウ」も共通している。「かつてはガーリーな雰囲気だったが、ここ数シーズンでコレクションが変化し、30〜40代前半客を中心にウエアが全般的に支持されている。7月に売り場も最新コンセプトにリニューアルし、ウエアが主役となる作りに変えた」(阪急うめだ本店)、「かつてに比べテーストが落ち着き、30〜40代のお客さまが買うようになった」(岩田屋本店)という声が多数出ている。雑貨では、ローファーやバッグの“ワンダー”、ヘアアクセサリーなどが売れ筋だ。

3月に発表されたプラダ グループの22年12月期業績は、売上高が前期比24.8%増の42億100万ユーロ(約6511億円)、純利益が同58.1%増の4億6500万ユーロ(約720 億円)、日本は欧米に比べると伸び幅が小さかったものの、下半期が特に好調で売上高は同24.2%増の3億6900万ユーロ(約571億円)だった。上り調子な決算内容を、店頭が証明した形だ。

コロナ禍以降、旅行などのレジャー需要の代替として急成長してきた特選マーケットだが、コロナが明けて、ブランドの勝ち負けがはっきりしてきた。勝ち組ブランドに共通するのは、アイテムカテゴリーを拡大してさらに需要を取り込むと共に、大規模なイベントでブランドの世界観をアピールし、話題性を高めるという動き。「プラダ」もまさに、この5月に東京都庭園美術館でイベント「プラダモード」を開催し、8月にはロレアルとのライセンスでビューティ市場に本格参入。先立つ22年秋にはブランド初のファインジュエリーも発売している。グループとしてさらなる成長に向け、着々と手を打っている。


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「ビジネスリポート」は定期購読者限定の特別付録で、年2回発行しています。8月28日に発行した2023年上半期版では、今回紹介した「プラダ」「ミュウミュウ」以外の特選や宝飾の好・不調ブランドや、訪日客急増による百貨店の購買行動の変化などを詳報しています。ほか、ルミネ新宿、ラゾーナ川崎、渋谷109、「ゾゾタウン」、古着などリアルクローズマーケットの好調ブランドやヒットアイテム、全国百貨店の化粧品フロアの商況など、半年分の情報を詰め込んだデータブックとしてお届け。コロナ禍だった22年下半期版と異なる傾向が明確で、非常に読み応えのある内容になっています。
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