ファッション

「フェンディ」2015年春夏ミラノ メゾンの技術力で生み出すアーキテクチュアルなウエア

 「フェンディ」は、前回と同じ会場をアーチの回廊のように仕立てた。これは、新しくフェンディの本社が移ったパラッツォからインスパイアされたもの。この過去と未来をベースに、真ん中に白線が走らせたサーキットのようなランウェイで登場したのはオーキッド(蘭)。かつて、富裕層は旅行するときに生花を身につけていた、というところから着想した。

 ランウェイに登場したカーラ・デルヴィーニュがまとうのは、ハリのあるシルクのノースリーブミニドレス。スタイルは一見シンプルだが、オーキッド柄が全面にプリントされているだけでなく、昨シーズン登場した柄をより抽象的に表現したものをところどころに切り替えで挟み、グラフィカルなムードを演出している。腕には大きなバングル、手にはマイクロサイズのハンドバッグ“ピーカブー”。そのバッグにも小さくなったファーの人形“カーリト”がつけられている。その後も、ミニ丈のジャケット、フリルスカート、細身のロングドレス、スウェット風セットアップ、ベアトップミニなど、さまざまなシーンで使えるスポーティーかつエレガントなアイテムが揃う。ジャケットを重ねたり、スカートとスリムパンツ合わせたよういうフェイクレイヤードのアイテムも面白い。色もブルー、ネイビー、ブラック、ブラウンなどの強い色からアイスブルー、ホワイト、薄いグレー、ペールピンクなどの淡い色までバリエーション豊かだ。

 素材で目を引くのは、スエードからパテントに変化するレザー。特殊なスプレーを吹き付けることで部分的にパテント加工を施しているという。色のグラデーションも加わり、新鮮に映る。レザーやスエードのカットアウトで表現したストライプは、何気ないTシャツやジャケットに立体感と抜け感を加える。また、ケージ(籠)に見立てたカットアウトを胸元やウエストに施したり、長細いパネル状レザーをパッチワークしたりして、建築的な要素を盛り込んだアイテムも印象的。終盤には、シルクオーガンジーをフェザーのように仕立て、そこにファーやスパンコールなどを挟み込んだドレスを披露。高い技術でスタイルに表情を与え、メゾンの力を見せつけたコレクションだった。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。