“ミス・ゴルチエ・コンテスト”と題したショーは、言葉通りミスコン風の演出。女優のロッシ・デ・パルマがスーツを脱ぎ去り、豊満な身体のコルセット姿でエロティックに歩き、“ミス・ゴルチエ”開幕を告げた。カトリーヌ・ドヌーブ、アルベール・エルバス、アレキサンダー・ワンらも見守る中、ショーは次々とシーンを変えて展開していく。ゴルチエが好きなものを集めたおもちゃ箱を広げるみたいな時間だ。
コルセットとメンズスーツをアレンジしたマスキュリン&フェミニンなスタイル、疾走感溢れる鮮やかな色彩のサイクリング・ルック、トレンチコーチやデニムのフォーカス、ゴールドカードやダイヤモンドをモチーフにしたギラギラのボディコンスのシリーズなど。
エマニュエル・アルト、フランカ・ソッツァーニ、カリーヌ・ロワトフェルドら名物編集長たちへは彼女たちのパロディ・ルックという形で感謝の念を伝え、前髪をロールアップしたモデルのリンジー・ウィクソン扮するスージー・メンケスが登場した時は拍手と笑いがおきた。
“ミス・スモーキング”と題して、スモーキング姿のモデルがタバコをくゆらせ登場したかと思えば、プロレスのマスクを被ってファイティング・ポーズを決めるコーナーがある。とにかくどれも可笑しく、セクシーでハッピー。客席で見ている人たちが隣の人と抱き合い、笑いながらキスをして、このショーに立ち会えた幸運を分かち合っている様子にゴルチエが残してきたものの大きさを見た。
最後は、ゴルチエ自身もミスのタスキをかけて登場。スタンディングオベーションを受けながら、花道を笑顔で駆け抜けて幕を閉じた。今後はオートクチュール・コレクションに専念することが発表されている。