ファッション

「ジャンポール・ゴルチエ」2015年春夏パリ フランスの英雄ゴルチエ、笑顔でプレタのラストショー

 映画館を舞台に発表された、「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」の最後のプレタポルテのショーは、ダンスミュージックとともに幕を開けた。フランスの英雄、ゴルチエのラストショーに涙の要素はない。フランス国旗のトリコロールカラーに彩られたネオンのアーチの下、宝塚の舞台のような大階段をモデルが降りてくる。大人の社交場、大人の遊び場としてのファッションショーが今回も繰り広げられた。

 “ミス・ゴルチエ・コンテスト”と題したショーは、言葉通りミスコン風の演出。女優のロッシ・デ・パルマがスーツを脱ぎ去り、豊満な身体のコルセット姿でエロティックに歩き、“ミス・ゴルチエ”開幕を告げた。カトリーヌ・ドヌーブ、アルベール・エルバス、アレキサンダー・ワンらも見守る中、ショーは次々とシーンを変えて展開していく。ゴルチエが好きなものを集めたおもちゃ箱を広げるみたいな時間だ。

 コルセットとメンズスーツをアレンジしたマスキュリン&フェミニンなスタイル、疾走感溢れる鮮やかな色彩のサイクリング・ルック、トレンチコーチやデニムのフォーカス、ゴールドカードやダイヤモンドをモチーフにしたギラギラのボディコンスのシリーズなど。

 エマニュエル・アルト、フランカ・ソッツァーニ、カリーヌ・ロワトフェルドら名物編集長たちへは彼女たちのパロディ・ルックという形で感謝の念を伝え、前髪をロールアップしたモデルのリンジー・ウィクソン扮するスージー・メンケスが登場した時は拍手と笑いがおきた。

 “ミス・スモーキング”と題して、スモーキング姿のモデルがタバコをくゆらせ登場したかと思えば、プロレスのマスクを被ってファイティング・ポーズを決めるコーナーがある。とにかくどれも可笑しく、セクシーでハッピー。客席で見ている人たちが隣の人と抱き合い、笑いながらキスをして、このショーに立ち会えた幸運を分かち合っている様子にゴルチエが残してきたものの大きさを見た。

 最後は、ゴルチエ自身もミスのタスキをかけて登場。スタンディングオベーションを受けながら、花道を笑顔で駆け抜けて幕を閉じた。今後はオートクチュール・コレクションに専念することが発表されている。

JEAN PAUL GAULTIER x コレクションの記事

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。