ファッション

三越日本橋本店の時計催事 昨年の「過去最高売り上げ」更新なるか

三越日本橋本店の年に1度の時計催事「第26回三越ワールドウォッチフェア」が16日、開幕した。本館6階時計売り場ウォッチギャラリーで29日まで実施する。国内外の約50の腕時計ブランドが出品し、全国から集まるファンに向けて希少品・限定品を用意する。7ブランドが三越の創業350周年記念モデルを製作した。売上高は、過去最高を記録した昨年超えを目指す。事前受注の金額段階では上回っているという。

「グランドセイコー」の三越350周年モデル(84万7000円)は、創業期の江戸時代の「大店暖簾」を想起させる紺色の文字盤が特徴。1967年に発売した同社初の自動巻きムーブメント搭載モデル“62GS”がベースとなっている。ドイツの「クドケ」は三越のライオン像に着想を得たカラーリングの限定品(187万円)を作った。その他に「チャペック」「D.ドンブルート&ゾーン」「アーミン・シュトローム」「ハブリング・ツー」「ヴェンぺ」が記念モデルを用意した。

「ここにしかない」品ぞろえを追求

腕時計市場が高止まりする中、「売れる物の中身は変化している」と岩元智之・三越日本橋本店時計担当バイヤー。「腕時計ならなんでも売れるフェーズは過ぎ、『ここでしか買えない』商品に人気が集中している」と話す。今回のイベントに合わせて、「ジャガー・ルクルト」「フランク ミュラー」「ブレゲ」では3000万〜7000万円台のモデルを特別に仕入れた。すでに売約が成立しているものもいくつかもある。

グループ内における時計カテゴリーの店舗別売上高では、三越日本橋本店は伊勢丹新宿本店に次いで2位。客数で比較すると伊勢丹新宿本店の10分の1程度だが、高級腕時計に強く、客単価では大きく上回る。名古屋エリアではジェイアール名古屋タカシマヤ、松坂屋名古屋店が時計売り場を拡充するなど、百貨店間での綱引きも加熱している。岩元バイヤーは「マニアックな品ぞろえと、豊富な知識を持ったスペシャリストによる上質な接客で他店と差別化していきたい」と話す。売り場単体の年間売上高は、前期の90億円を上回る計画を組む。

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