化粧品の開発やOEM製造を行うサティス製薬はこのほど、地域活性化への貢献を目指すプロジェクト「ふるさと元気プロジェクト(以下、FGP)」で開発した原料が100種類に到達したと発表した。同原料を配合した化粧品の年間出荷数は、FGP発足当時の2010年14万個から、22年には2700万個以上に増加。多くのブランドやユーザーが賛同し、「共感と支援の輪が年々広がっている」(同社広報担当者)という。
FPGは、プロジェクトに賛同した化粧品メーカーが商品をPRすることで、消費者が化粧品はもちろんその先の生産者や地域に関心を持つという循環を想定。未利用資源を化粧品原料の素材として選定するほか、素材から成分を抽出する工程でも廃棄物が増えない手法をとるなど環境負荷を軽減する工夫も行っている。
同プロジェクトに参加する温泉街の再生を目指す島根・玉造温泉まちデコは、温泉水を化粧品に活用。PR を通じて知名度が上がり、新規顧客を獲得した。このほか、大分・七瀬活水は、地元素材のクチナシを活用したことで、若い世代に地元の食文化を広めるきっかけになった。愛媛・リモーネは、間引きで廃棄してしまう果実を活用し、事業の支援につなげている。
今後も、持続可能な化粧品産業と日本の価値ある素材と文化の継承を目的に、地域活性化を目指した取り組みを続けていく。原料および商品開発の希望者も引き続き募集する。