「ファッションショーは唯一ライブなもの」と語る久保嘉男デザイナー。酒場に見立てたランウェイにジャズが流れるDJブースを置き、スポーツをベースに漁師・船乗りから着想したコレクションを提案した。テーマは、「フィッシャーマンズ アスレティックス」。指を鳴らし、鼻歌を歌う夏木マリの「It’s show time !」というかけ声でショーがスタートした。
酒場で過ごす時間を楽しむ船乗りに扮し、長い髭を生やしたメンズモデルが続々と登場。カラフルなフリンジが付いたアートモチーフのトップスや、変形ミリタリージャケット、不規則にエスニックプリントを混ぜたボーダーブルゾン、魚柄のニットなどで現代的な“海の男”を表現した。ウェアラブルな服には、サスペンダーや、カンカン帽、ポケットからはみ出す作業手袋、ギターケース、綱とテーマ性のある小物を合わせた。また、実際にウエットスーツで使用されている生地を使ったというボディスーツは、股上を下げることでタウンユース可能に。「ウエストにシャツを巻いたり、ジャケットと合わせたりすることでコーディネートを楽しんでもらえるよう、意識して作った」と久保デザイナー。 “漁師”というユニークかつ少々難解なテーマをスポーティーにまとめた。