オフィサーコートやフィールドジャケットなど、タイトシルエットの軍服にのせたのは、ロマンチックなバラとポピー(ケシ)の花々。ポピーの花は、イギリスでは戦没者を追悼する意味を持つ。ストイックなまでにユニフォーム性を追求したテーラードに、相反する反戦への強い願いを込めている。ポピー柄は、セットアップにジャカードで一面に散らしたり、タートルネックニットに大胆に配したり。サスペンダーやガンホルダー(銃をさげるためのベルト)に見立て、ジャケットに別地の花柄トリミングを背面で交差させ前身頃まで沿わせたデザインも印象的だ。フォーマルな色を強めた後半のコレクションにはビジューの花を添え、リュクスなミリタリーに終始した。