「ディオール(DIOR)」は8月25日、フランシス・クルジャン(Francis Kurkdjian)=ディオール パフューム クリエイション ディレクターが手掛けた新作フレグランス“ジャドール ロー”(50mL、2万3320円)を発売した。“ジャドール”は、メゾンが誇る究極のフェミニニティとパイオニア精神を象徴するフレグランスとして、そして創業者のムッシュ・ディオールが愛した花々へのオマージュとして1999年に誕生した。以降、同シリーズは、女性が強く、自由で大胆に生きるべき時代であることを表現し、才能ある調香師たちが名香といわれるフレグランスを世に送り出してきた。モデルの冨永愛は20年以上にわたり第一線で活躍する。彼女を引きつける、“ジャドール”の魅力とは?
フランシス・クルジャンが手掛ける
新たな“ジャドール
ロー”の世界
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調香師のフランシス・クルジャンは、「伝統を重んじながら、大胆に」というクリスチャン・ディオールの言葉に導かれ、今回の創作に取り組んだ。初代“ジャドール ロー”のセンシュアルな魅力はそのままに、モダンで洗練された独自のスタイルで、クルジャンが考える「現実には存在しない理想の花」を“ジャドール ロー”に吹き込んだ。ぜいたくに広がる花々はよりシンプルに際立ち、洗練されたミニマリズムと本来のセンシュアリティ、そしてかつてないほどの濃密さで新たな香りのシルエットを描き出した。
“ジャドール ロー”は、どれか一つの花が先立つのではなく、互いに共鳴し調和するコンポジションが普遍的で唯一無二の存在感を放つ。最も純度の高いエッセンスを抽出したかのような香りをイメージして、溶けたゴールドの揺らめく光をボトルのデザインに再現。丸みを帯びたアイコニックなボトルは、より柔らかな印象に生まれ変わった。
「“ジャドール”は20代で
初めて買った憧れの香水」
WWD:冨永さんにとって香りとは?
冨永愛(以下、冨永):場所や気分、その時々で身にまとう香りを変えて楽しんでいます。自宅にはお気に入りのフレグランスが30種類以上置いてあって、寝る前にもつけるほど生活になくてはならないもの。20代の頃はスパイシー系やウッディ系ばかりつけていた時期もありますが、最近は場所によって気分を上げる華やかなもの、心が落ち着く香りなど変えるようになりました。周りに香りに詳しい人がたくさんいて、オケージョンによって香りを変えるのは心にもいいと聞いて使い分けるようにしています。
WWD:「ディオール」の名香、“ジャドール”の印象は?
冨永:20歳くらいの頃、飛行機で海外に行くときにすてきな広告ビジュアルを目にして、まさに憧れの女性像でした。「こんな大人の女性になりたい」という思いを抱いていて、実は初めて買った香水も“ジャドール”。当時の“ジャドール”は、甘くて重厚感のある官能的な香り。パーティや撮影など、特別なときやちょっと気合いを入れたいときに大切につけていました。シャーリーズ・セロン(Charlize Theron)がゴールドの水の中から現れるテレビCMも衝撃的でよく覚えています。
「センシュアルな女性が
もっと増えたらすてき」
WWD:今回新しくなった“ジャドール ロー”の香りはどうでしたか?
冨永:“ジャドール”の世界観は引き継いでいるけど、今の時代をよく表していると思います。“ジャドール”の持つ重厚なセンシュアリティに爽やかさが加わり、はつらつとした印象もある。大人の女性像を体現しているのは変わらないけれど、そこに新しい風が吹いたイメージ。フラワーブーケのたくさんの花々の要素が入っているので、どんなシーンや場所でもつけやすいし人も選ばないですよね。“ジャドール”が表現する女性像は“センシュアルな人”。魅力的な女性がもっと増えたらすてきなことだと思います。
調香師フランシス・クルジャンと
「ディオール」
フランシス・クルジャンは、情熱的なアーティストであり類いまれな才能が世界中から称賛される。フレグランスメゾンのために数々の名作を生み出してきたクルジャンは、「ディオール」のフレグランスコレクション“メゾン クリスチャン ディオール”のために、官能的なラベンダーがグルマンベースに溶け込んだ“オー ノワール”や、“白い香り”をテーマにした“コローニュ ブランシュ”などを手掛けた。また、クルジャンはフレグランスの“新たな領域”を生み出すことに積極的で、「ディオール」と共にグラン・パレやヴェルサイユ宮殿などメゾンゆかりの土地で嗅覚のインスタレーションやパフォーマンスを行った。今夏発売した“ディオリビエラ”では、ディオール パフューム クリエイション ディレクターとして初めて調香を担当。クリスチャン・ディオールが愛した南仏を香りで表現した。
クルジャンは今回の新作について、「“ジャドール”にゴールドのオーラを授けたいと考えた。過剰な要素をそぎ落とし、香りの本質を突き詰めた。フローラルブーケをより洗練させ、コンテンポラリーかつ普遍的なアクセントを加えたかった。センシュアルなローズとパワフルなジャスミンの本質だけを残すように濃密なブーケをまとめあげ、輪郭を明確に。さらに、ピンクやホワイトを強調し、太陽のような花々に光を当て、より丸みのある滑らかな色調を加えた。こうしてより引き締まった印象のフレグランスが生まれた」と語った
パルファン・クリスチャン・ディオール
03-3239-0618