英国発ホームフレグランス「プラム&アシュビー(PLUM & ASHBY)」が、日本に上陸した。同ブランドは2014年、ヴィッキー・ホワイトとフレヤ・ニコルソンが創業。イギリスの田園風景からインスピレーションを得たホームフレグランスで、キャンドルやリードディフューザー、バスソルトなどを提案している。自国では、“ベスト・オブ・ブリティッシュ・ビジネス”賞に選ばれるなど、ビジネス的にも注目を浴びている。日本では、フレグランスなどを輸入販売するイー・エフ・インターナショナルが販売を手掛け、8月30日まで、渋谷ヒカリエ1階でポップアップショップを開催する。上陸を機に来日したニコルソン創業者兼コマーシャル・ディレクターに話を聞いた。
WWD:今回、来日の目的は?
フレヤ・ニコルソン=プラム&アシュビー創業者兼コマーシャル・ディレクター(以下、ニコルソン):ブランドを直接に紹介するために来日した。
WWD:「プラム&アシュビー」のブランド哲学は?
ニコルソン:香りを通して人々のライフスタイルを豊かにすること。香りがあることで、朝の支度や読書、お風呂の時間が豊かになるはず。
WWD:ブランド名はどこから?
ニコルソン:ブランド名は、ヴィッキーが子どものときにつけられたニックネームの“ヴィクトリア プラム”と彼女が幼少期を過ごしたノーザンプシャーの村、キャッスル・アシュビーを組み合わせたもの。
WWD:他のフレグランスと違う点は?
ニコルソン:休暇など特別なひとときを思い出させるようなパワフルでユニークな香りである点。例えば、ベストセラーの一つ“シーウィード&サンファイア”は、ヴィッキーの別荘がイメージソースで、海の休暇を想起させる香り。香りは、まるで音楽のように、人々にすてきなひとときを思い出させたり、喜びを与えたりすることができる。パッケージには、アーティストである私の祖母による手書きのタイポグラフィーを用いている。フローラル、ウッディなどと香り別にカラー分けをして、直感的にナビゲートするニュートラルなパッケージも多くの人にアピールしていると思う。
WWD:ベストセラーの香りは?
ニコルソン:ユニセックスな香りの“シーウィード&サンファイア”、もう少しソフトで繭に包まれたようにソフトな“ワイルドフィグ&サフラン”、若年層や女性にはフレッシュで生き生きした“ネロリ&ベルガモット”の人気が高い
探さないと出合えないニッチなブランド
WWD:現在何カ国、何店舗で販売しているか?
ニコルソン:英国、ノルウェー、ドバイ首長国連邦、台湾、日本の5カ国、約400店舗で販売している。イギリスでは百貨店のハロッズ(HARRODS)やハーヴェイ・ニコルス(HARVEY NICHOLS)、フォートナム&メイソン(FORTNUM & MASON)などでも展開しているが、販路の多くは、知る人ぞ知る小さな専門店を選んでいる。「プラム&アシュビー」には、ギフトとして贈るのに相応しい特別感が大切だと思うから、販売店舗を選ぶのには気を使っている。
WWD:トップ3の市場は?欧州の主要国で販売していない理由は?
ニコルソン:1位がイギリス、2位が台湾、3位がノルウェー。ノルウェーは、イギリス文化が好きで、デザイン重視の国だから受けている。フランスやイタリアなどで販売していないのは、ブレキジットが大きな理由。送料などの費用がとても高いので参入するには困難だ。
WWD:日本に進出した理由と目的は?
ニコルソン:日本にはクオリティーとクラフツマンシップを理解できる土壌があり、強いコネクションを感じている。日本人は、高品質なものの値打ちが分かり、じっくり時間をかけて楽しむ国民性を持っているし、シンプルなデザインを好むので相性が良いと思った。われわれの製品を気に入ってもらえると嬉しい。また、日本ほど、競争の厳しい市場はないと思う。ここで成功できたらどこでも成功できるはずだ。
WWD:日本市場における戦略は?
ニコルソン:メディアやインフルエンサーを通して、消費者にブランドを知ってもらいたい。また、ECだけでなく、ポップアップショップなども開催していく。商品的には、日本市場限定の香りをつくりたい。イギリスと日本を足して2で割ったような香りがイメージ。5年後には「プラム&アシュビー」の世界観を体感できるような路面店を出店したい。
WWD:競合ブランドは?それらとどのように戦うか?
ニコルソン:「ディプティック(DYPTIQUE)」や「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」。彼らは確立されたブランドだけど、「プラム&アシュビー」は新しいワクワクするブランド。どこにでもあるわけでなく、探さないと出合えないニッチな立ち位置だ。また、毎日使って欲しいから、高品質の商品を手に取りやすい価格帯で提供している。ブランドのイメージを消費者に伝えるために写真は大切。だから、ムードボードを使って再現したい記憶に残る瞬間を捉えたイメージを使うようにしている。