高橋悠介デザイナーが思いを馳せたのは、イギリスの建築家のチャールズ・レニー・マッキントッシュ。革新素材への飽くなき探求心を発揮し、彼の作品や装いを洋服に落としこんだ。今季は、群馬県産の繭を使った純国産シルクを独自開発。作品をオマージュした格子柄やボーダーを加えたセットアップは、シルクとウール、ポリエステルを混紡することで品の良い光沢をプラス。シルクのふわりと軽いスカーフがソフトなニュアンスを加え、重たくなりがちな冬のコーディネートに奥行きを持たせている。モヘヤを混ぜたことでにじんだ風合いを出したチェック柄のセーターなど、このブランドでしか出せない豊かな表情のアイテムにも注目だ。
楕円や直線で描いた模様をジャカードで表現したテーラードコートのほか、リブパンツやジャージージャケット、スニーカーといったウエアラブルなリラックスウエアも提案。後半には、ベルベットにクラシックな柄をのせたコートやパンツを基軸とするフォーマルにシフト。オンとオフの装いのバリエーションを持たせて、アーティスティックなテーマをキチンとリアルな装いに着地。コレクションでは、写真家の藤原聡志とコラボレーションしたTシャツやバッグも発表した。