ファッション

「アトリエ ヴェルサーチ」2015年春夏オートクチュール 生地に命を与えるカットと縫製。ドレスは第2の皮膚となる

 パリ・メンズ・コレクションの最終日である25日、夜9時には「アトリエ ヴェルサーチ(ATELIER VERSACE)」のショーで2015年春夏オートクチュール・コレクションが幕を開けた。会場は19世紀の貴族の館を改装して造られた8区の名門ホテル、ポトキ。瀟洒な内装をバックに潔くセクシーなイヴニングドレスを並べた。

 オートクチュールとは、オーダーメードで作られる一点ものの服のこと。「アトリエ ヴェルサーチ」が顧客の女性たちに捧げる価値は、第2の素肌のように体にぴったりと沿うパターンとカットの技だ。スポーティーなジャンプスーツもここでは官能的なドレスとなる。細い首に巻き付くようなネックラインのジャンプスーツは、ワンショルダーで華奢な肩を強調し、胸や腰の丸みをなぞるように滑り落ち、長いスリットを入れたフレアパンツへとつながる。まるで生地に命があり、女性の裸体の上を這うような躍動感がある。

 「21世紀のクチュールとは実験的でエレガントであること」とデザイナーのドナテラ・ヴェルサーチ。メンズのテーラードをベースに、柔らかくも適度に張りのあるシルクリネンをはぎ合わせ、大胆なカットを肩や胸、ヒップに差し込むことで彫刻のようなシルエットを作り出す。色は黒、白、赤、青など一色で柄は一切ない。

 中盤はロングブーツに合わせる膝丈のボリュームたっぷりのフレアドレスにスポーティーなショートブルゾンを合わせて軽快に。後半はキー素材をスキンカラーのネットに変えて、素肌にペイントを施すように、ネットにクリスタルで抽象柄の刺繍を施す。圧巻の官能美だ。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。