企業が期ごとに発表する決算書には、その企業を知る上で重要な数字やメッセージが記されている。企業分析を続けるプロは、どこに目を付け、そこから何を読み取るのか。この連載では「ユニクロ対ZARA」「アパレル・サバイバル」(共に日本経済新聞出版社)の著者でもある齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、企業の決算書やリポートなどを読む際にどこに注目し、どう解釈するかを明かしていく。今回はコロナ禍でも成長を続けたルルレモンの強さの源泉を解説する。(この記事は「WWDJAPAN」2023年8月21日号からの抜粋です)
今回はコロナ禍でも成長し続け、売上高1兆円を突破したルルレモンの財務諸表を読み解きます。5月15日号のこの連載に掲載した、2022年度版世界アパレル専門店ランキングで6位。カナダの会社なので、全米2位とは言えませんが、ギャップに次ぐ北米2位になりました。
利益は完全にギャップを抜いています。 アメリカでは10年くらい前からはやっていて、街の中でちょっとおしゃれな人たちが、あのレギンスをはいていました。必ずしもヤングではなく、20代後半から50代前半ぐらいまでの、こだわりのある人たちがはいて、足のラインを見せていました。
「Be Human, Be Well, Be Planet」という独特なアプローチと、体験提供とコミュニティー作りによる付加価値。そしてデジタル。今時のキーワードがものすごく詰まった企業です。トップ10の企業の中でも、ライフスタイル提案の切り口がはっきりしていて、毛色が全く違うし、単価も高い。こういう企業の登場は、ファッション業界としてもうれしいことだと思います。
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