天使の羽根をかたどったような黒のベルベット・ドレスでショーはスタート。続く多くのルックがハイウエストにポイントを置いた、フォークロティックなドレスやコート、ジャンパースカートにスタンドカラーのブラウス、ベスト。ベージュ、白を基調に赤やオレンジの刺繍やパッチワークでハンドワークのぬくもりを加える。インスピレーションは愛をテーマに作品を作り続けたロシア出身でフランスを拠点に活動した芸術家、マルク・シャガール。どこかロシアを連想するのもそのためだろうか。
もう一つのインスピレーションはイタリアで13世紀に起こった、愛をテーマにした文学運動「ドルチェ・スティル・ノーヴォ」だ。リネン、ガーゼ、ベルベットなど複数の天然素材を重ねたレイヤードルックは詩人が紡ぐ言葉の広がりをイメージしているという。度々登場するコルセットは“ハート”を守るため。最後はイタリア人ラッパー、ジョヴァノッティの歌が流れる中、愛の言葉を刺繍で施したドレスが登場した。