プラスチックの代替素材“エアカーボン(AIRCARBON)”を開発したスタートアップ企業、ニューライトテクノロジーズ(NEWLIGHT TECHNOLOGIES)は、脱炭素ファンドのジェンゼロ(GEN ZERO)などから1億2500万ドル(約181億2500万円)の資金調達を行なった。
カリフォルニアに拠点を置く同社は、海中の微生物が温室効果ガスを体内に蓄積し、PHB(ポリヒドロキシ酪酸)と呼ばれる物質に変換するメカニズムを応用し、“エアカーボン”の開発に成功した。製造にかかる排出量よりも吸収量が上回る脱炭素型素材で、さまざまな形に成形・加工が可能。ファッション、エンターテインメント、ホテル、自動車、食品産業と幅広い産業を対象に販売する。21年には「ナイキ(NIKE)」がパートナー企業に名を挙げ、“エアカーボン”を使ったプラスチックおよびレザーの代替素材として活用を進める。「H&M」は22年5月に発売した“イノベーション・ストーリーズ(Innovation Stories)”コレクションで、“エアカーボン”を使ったアクセサリーを販売した。
ニューライトテクノロジーズは、今回の資金調達で製造拠点を拡大させる計画だという。同社のマーク・ヘレマ(Mark Herrema)CEOは、「私たちが20年間かけて続けてきた研究・開発をスケール化するためのターニングポイントになるだろう。今後の展開にワクワクしている」とコメントした。