「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を傘下に持つタペストリー(TAPESTRY)の2023年6月通期決算は、売上高が前期比0.3%減(現地通貨ベースでは3%増)の66億6090万ドル(約9658億円)、営業利益は同0.2%減の11億7240万ドル(約1699億円)、純利益は同9.3%増の9億3600万ドル(約1357億円)だった。
地域別の売上高(現地通貨ベース)では、アジア太平洋地域(日本と中国を除く)は同36%増、日本は同15%増、中国は同5%増、欧州は同7%増で、グローバルでは同13%増だった。一方、景気が減退している北米は2%減だった。
ブランド別の売上高では、主力の「コーチ」が同0.79%増の49億6040万ドル(約7192億円)と微増だったものの、「ケイト・スペード ニューヨーク」は同1.8%減の14億1890万ドル(約2057億円)、「スチュアート・ワイツマン」は同11.3%減の2億8160万ドル(約408億円)と減収だった。いずれのブランドも北米市場への依存度が高く、売り上げに占める割合は「コーチ」が61%、「ケイト・スペード ニューヨーク」は81%、「スチュアート・ワイツマン」は64%となっており、米国の国内需要の低下が業績に響いた。
ジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)最高経営責任者は、「急激に変化する経済環境の中、現地通貨ベースでは増収となり、利益率を拡大できた。また、素晴らしい製品や独自のストーリーテリング、オムニチャネルでの魅力的な買い物体験の提供などによって顧客とのエンゲージメントを深め、戦略的な優先事項を推進できたことをうれしく思う」と語った。
なお、タペストリーは8月10日、「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」を擁するカプリ・ホールディングス(CAPRI HOLDINGS)を約85億ドル(約1兆2325億円)で買収した。同氏は、「この買収により、顧客セグメント、国や地域、製品カテゴリーなどをさらに拡大する、強力かつグローバルなラグジュアリーファッショングループが誕生することとなる。6つのアイコニックなブランドを集結し、当社の現代的な顧客エンゲージメント・プラットフォームを活用することで、世界中の消費者、従業員、コミュニティー、株主にとって優れた価値を創出していく」とコメントした。