花王のスキンケアブランド「ソフィーナ iP(SOFINA IP)」がリブランディングする。2023年秋から新ブランドスローガン「素肌に、科学をインストールする。」を掲げ、ブランドロゴやパッケージデザインを一新。第1弾として、主力商品の美容液“ベースケア セラム<土台美容液>”(90g、5500円※編集部調べ)を4年ぶりにリニューアルし、ブランド初の化粧液“角層トリートメント 基礎化粧液”(160mL、2420円※同)とともに11月4日に発売する。順次、クリームや集中美容液などラインアップを拡充し、日本国内を中心に強化。2027年には22年の花王出荷売上金額の2倍、CAGR(年平均成長率)15%を目指す。
「ソフィーナ iP」は2015年に誕生。花王の化粧品事業で国内を中心に注力するブランド群「R8」の一つ。主要客層は30代後半〜40代で、特に40代半ばが多い。主力の土台美容液は、美容液市場で7年連続売上No.1(インテージ SRI+調べ/美容液〈美白・しわ改善除く〉市場16年5月~23年4月ブランド別累計販売金額・個数)、各媒体ベストコスメで累計121冠を獲得、リピート率は55%と好評を博している。順調に売り上げを伸ばす一方で、美容液市場ではシミ予防以外の競合が年々増え、新客獲得の伸びが鈍化していた。
そこで、社会潮流を踏まえて顧客像を見直し、「本質的な追求を持ち、効能や作用をしっかり論理的に理解したい、納得する材料がほしいという気持ちがある顧客と向き合う」ために、リブランディングを図った。小林恵美 花王化粧品事業部門 マステージビジネスグループ長は、「『ソフィーナ iP』の存在価値を高めるために、確かな皮膚科学によるエビデンスに裏付けられたブランドであることに振り切った。エビデンスベースでブランドならではの“尖り”を出し、総合皮膚科学スキンケアブランドとして存在感を高めていく」と意気込む。
一新するブランドロゴは、原点である皮膚科学や角層細胞の六角形の集合体にインスピレーションを得た。ブランドカラーはサイエンスを象徴するホワイト、パワーをイメージしたイエロー、1982年に誕生した「ソフィーナ」カラーのグリーンを融合させ、リブランディングで目指す原点回帰と新時代に向けた提案力をイメージした。
パッケージデザインは、「迷いなく、正しく確かな“解答”にたどり着き、自身で決定する」ことをサポートするために、正面から商品の特徴を理解できるように情報を盛り込んだ。「人を介さずにセルフ販売する商品であることから、パッケージに店頭ポップの役割を持たせ、商品を選びやすくした」。
価格は、「品質の高いものをより多くのお客さまに安価で使ってほしいという思いを体現すべく、手に取りやすく続けやすい合理的な価格設定にした。お試しサイズも豊富にそろえる」。
“ベースケア セラム<土台美容液>”(90g、5500円/レフィル90g、4950円・180g、9380円※同)は、毛穴の約1/20サイズの高濃度炭酸の泡の美容液が、角層最深部まで浸透。潤い・キメ・ツヤ・ハリ・ゴワつき・乾燥による小ジワを目立たなくするなど、“尽きない肌悩み”にアプローチする。価格は据え置き。なお、数量限定で55gのサイズを発売する。朝晩使用で約25日使えるサイズ感で、価格は3000円以下を予定する。
“角層トリートメント 基礎化粧液”(160mL、2420円※同)は、化粧液が角層細胞まで浸透し水分保持機能の働きを補う処方を採用し、乳酸発酵成分などを配合。乾燥しがちな環境ででも潤いが続き、しっとりやわらかな肌に導く。1月13日にレフィル(150mL、1980円※同)を発売する。
今後、“ブランドの伝達者”の起用を予定しており、デジタルをはじめ、TVや店頭のコミュニケーションを強化する。店頭では、スマートフォンをかざすだけでオンライン上で詳しい商品情報が確認できるNFCタグを用いたツールを設置。また、LINEを活用した肌解析デジタルサービス「肌id」をアップデートし、科学的根拠とともに自ら納得してスキンケアを楽しめるデジタル体験をサポートしていく。