ファッション

「ドリス ヴァン ノッテン」2015−16年秋冬パリ ドリス流クチュール×カジュアルの折衷主義

 ニューヨーク・コレクションに始まりチャイナ・レッドがトレンドに浮上している今シーズン。その決定打とも言える“赤の服”を見せたのが「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」だ。

 アジアン・ミックスはドリスが定期的にフォーカスする要素であり、今季も日本や韓国などのエッセンスを織り交ぜてはいるが、最も印象に残るのは鮮烈な赤とゴールドの使い方。中国大陸の悠久の歴史や文化、パワーを連想させる。生地は複雑なジャカードを多用し、雲や草木といった自然や、19世紀の屏風からヒントを得た中国の村の田園風景、家紋のような文様、空を飛ぶドラゴンが施されている。シルクベルベットなどの重厚な生地で、ジップアップブルゾンやトラックパンツなどスポーティなアイテムを仕立てて、クチュール×カジュアルのミックスを完成する。

 カジュアルを象徴する素材は、キルティングやコットンのチノ素材。特にチノはアウトポケット付きパンツやコートに用いて、装飾たっぷりのトップスとコーディネートしドリス流“折衷主義”スタイルを完成する。クチュールの技は、たくさんのビーズを刺しゅうしたフリンジ使い、ハンドメイドの花のネックレスといった装飾にも見られる。

 特に注目したいのは、ペプラム・ベルトと呼ぶ新しいアイテムで、ベルトに今季を象徴するベルベット生地などがついている。ウエストに合わせればオーバースカート風のベルトに、肩に巻けばケープにと早変わりする。

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