毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2023年8月21日号からの抜粋です)
牧田:2年前くらいからブランドから「ジェイアール名古屋タカシマヤが一番店」と聞く機会が増え、ずっと名古屋が気になっていて、ようやく特集することができました。「ロクシタン(L'OCCITANE)」や「アンタイトル」などのほか、ラグジュアリー・ブランドの一番店もあるそうです。
横山:地域特集は媒体としてもあまりやってこなかったので、新鮮でした。名古屋が日本一、またはオンリーワンのモノ、人、場所を30個集めました。私が一番印象に残ったのは、東海エリアのラグジュアリーライフスタイル誌「メナージュケリー」の編集長取材です。10年くらいには東海3県でかなりの部数を売っていたそうです。「名古屋マダムは社交が盛んで、起こっていたことを整理して見せただけ」と語っていて、名古屋マダムのパワーを知りました。
牧田:割と保守的で王道が好きですよね。私はジェイアール名古屋タカシマヤのチョコレートの祭典「アムール・デュ・ショコラ」が衝撃でした。1カ月の売上高が34億円。会場ではショコラティエとの会話が楽しめたり、期間中に何回も来場する人同士で自然にコミュニティーができたりなど、チョコを買うだけではない楽しみが生まれているようです。ムック本のようなカタログも、コレクターズアイテムだそうです。
横山:「フォクシー」「ヴァンクリのアルハンブラ」「ミニケリー」が3種の神器で、良くも悪くも同質化したがる傾向があるそうです。でも、逆に言えば一つハマると大きな流れになりやすい。仕掛け次第で大爆発があり、日本一の規模になったりするのが名古屋なのかもしれないですね。
牧田:小花柄のシフォンワンピースを着てる人も多いそうです。JR名古屋タカシマヤはアイテム別売り上げ構成比でワンピースの比率が高いそうです。家族3代で同じブランドを愛用することも多く、こういう地域って名古屋以外にはないんじゃないでしょうか。
横山:ラグジュアリーホテルも今年から26年にかけて複数開業予定で、コロナ禍でバラバラになってしまった名古屋マダムたちのコミュニティーも復活するかも?あと、名古屋ってインバウンドが弱いんですよ。取材すると「観光名所も少ないし」とよく聞いたのですが、外から見ると全然そんなことはなくて。その意味ではまだまだポテンシャルがあると思います。