まず、初めにショーを披露した「エトゥ バイ レストゥ アングライニ」。ライトベージュやブラウン、オフホワイトなどやさしいアースカラーでコレクションを構成した。モデル全員が白いヒジャブ(イスラム教徒が髪を覆うスカーフ)を被って登場したが、顔から下のコーディネートは、装飾を省いたブラウスとロングジャケット、ワイドパンツで都会的でエレガントなスタイルだ。キーマテリアルは、張り感のある茶色のメッシュ生地。スヌードやボータイ、着物風のベストなどに用いて、ほどよくオリエンタルな印象にまとめた。デザイナーのレストゥ・アングライニは、「イスラム・ファッションの需要だけでなく、ファッションを楽しむすべての人がエレガントに着こなす日常着をデザインした」と語る。
次に登場した「トトン」のファーストルックは、襟にビーズ刺しゅうを施した白いブラウスに深緑のハイウエストパンツ。デザイナーのトトン・ジャヌアルが「インドネシアには、さまざまな人種や宗教の人々が暮らしている。その一つ一つをリスペクトしながら、スピリチュアル世界や感情を洋服で表現した」と話すように、異文化のが要素が混ざり合ったコレクションに仕上げた。例えば、ワンピースやブラウスに用いたプリントは、インドネシアの民族の刺青が着想源。マオカラーのワンピースやコートに巻きつけたチャームやフリンジは、仏教の僧侶が手に持つようなタッセルをほうふつとさせる。フェザーやビジューをふんだんに使った花の刺しゅうでフェミニンだが力強いワードローブを作り上げた。