サステナビリティ

廃棄衣料を水素化するプロジェクトが始動 繊維リサイクルの新たな選択肢に

テキスタイルメーカーやまぎんの西川明秀代表取締役はこのほど、子会社のバイオテックワークスエイチツー(東京渋谷区、西川明秀代表取締役CEO)を立ち上げ、廃棄物を水素化するプロジェクト「バイオテックワークスエイチツー」を始動した。アパレル企業に向けてサポーターとしての参画を呼びかける。

同社はアメリカにある提携プラントで、ガス化という手法を用いて廃棄物を再生可能エネルギー化することを実現した。繊維ごみのほか、一般家庭ごみ、電化製品、建築ごみなどリサイクルが難しいと言われている有機廃棄物全般において処理できる。集めた廃棄物を粉砕機にかけた後、1日の処理量100トンのガス化炉でガス化。その後、ガス化炉で発生した混合ガスより水素を抽出し、再生可能エネルギーとして活用する仕組みだ。繊維製品からは、廃棄物量の6~7%の割合で水素化できるという。プラント内で発生した二酸化炭素は、外部へは排出せずCO2炭酸飲料メーカーなどに提供する予定。2025年を目処に、日本とマレーシアで新たなプラント建設も進む。

従来繊維製品のリサイクルは、ファスナーやボタンなどの副資材の分別に手間がかかることや、混紡繊維の分解などに技術的な課題があった。同社の構想は、全ての廃棄衣料を資源化できる新たな選択肢となる。

同社は、独自開発のアプリケーションを使用して廃棄物から抽出する水素量を測定できるトレーサビリティプラットフォーム「バイオテックワークスエイチツー」を提供する。サポーター企業には、会員プランに応じてこれらのサービスやCO2削減量のエビデンス、オリジナルシステムの構築のサポートなどを提供する。

西川CEOは、1977年生まれ。2000年にOEM/ODMメーカーとしてやまぎんを創業。13年以降はテキスタイルの開発も手掛け、20年には洗濯可能な医療用ガウン向け素材“ゼロテックス(ZERO-TEX)”をはじめ、環境配慮型素材を開発に注力。23年7月に、やまぎんの子会社としてバイオテックワークスエイチツーを設立した。

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