ファッション

「ブラックレーベル&ブルーレーベル・クレストブリッジ」2015-16年秋冬 世界観を描く新百貨店ブランド誕生

 2015年春夏シーズンで終了する「バーバリー・ブラックレーベル」と「バーバリー・ブルーレーベル」の後継ブランド「ブラックレーベル・クレストブリッジ」と「ブルーレーベル・クレストブリッジ」の15-16年秋冬コレクションが開かれた。

 三陽商会は、両ラインのクリエイティブ・ディレクターに三原康裕を指名。「70年にわたるモノ作りの歴史や財産を引き出し、新たな視点で再構築する」を目標とした三原と三陽商会のクリエイションは、百貨店メインの新ブランドを生み出した。

 三原の参画によって変わったのは、時代性を念頭に置いたニュアンスだ。それは、ブランドの代表的アイテムのコートと、同じくアイコニックなモチーフのチェック柄にも現れている。モノ作りに長けたアパレルブランドは、しばしば洋服一着一着のクオリティーにこだわるあまり世界観の構築が疎かになったり、「確実に売れるモノ」を作るためシーズン毎もしくはコンペティターとの差異が見えにくくなりがち。それを三原は、デザイナーらしいニュアンスとアイデアで、2つのブランドをアイテムだけではなく、世界観でも語れるよう育てようと腐心している。たとえばチェック柄のコートは、ブークレのようなふっくらした素材を用いたり、背面にインタックを盛り込むことでふんわり広がるAラインに仕上げたり、ドロップショルダーのコクーンシルエットで提案したり、ウィメンズの「ブルーレーベル」は、バリエーションが格段に進化。メンズもモッズコートやカレッジストライプのジャケットなどアイテムを拡充し、トレンチとチェックだけじゃないブランドへの成長を図る。

 とはいえ、ショー前のインタビューで「70年の歴史は大したもの。働く人一人ひとりのモノ作りに関するノウハウには、学ぶところも多かった」と話す通り、三陽商会のアイデンティティもしっかり踏襲している。リスペクトの意志を込め、フィナーレにはモデル全員がベージュのトレンチに着替えて大行進。トレンチのみならず、メンズの売れ筋だったチェック柄のシャツ、同じくウィメンズのキラーアイテムだったミニ丈のスカートなどは踏襲し、「売る」ことも意識している。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。