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そごう・西武労組「スト実施」を通知 31日に西武池袋本店で

セブン&アイ・ホールディングスによる子会社そごう・西武の売却をめぐって、そごう・西武労働組合は28日、ストライキ(スト)の実施を経営側に通知したと発表した。交渉が決裂すれば31日に旗艦店の西武池袋本店でのストを検討する。小売業のストは極めて異例。労働者の権利であるストの実行は諸刃の剣で、企業イメージの悪化につながる恐れもある。

28日に都内でそごう・西武労組の寺岡泰博委員長らが会見した。会見には高島屋、クレディセゾン、J.フロント リテイリング、三越伊勢丹、エイチ・ツー・オー リテイリングなどの労働組合幹部も同席し、支援の姿勢を示した。

7月に組合員投票によってスト権を確立したそごう・西武労組は、以降、複数回にわたって井阪隆一セブン&アイ社長ら経営陣との話し合いを重ねてきた。しかしセブン&アイは、9月1日に米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループへの株式譲渡を強硬する姿勢を崩していない。焦点となっている西武池袋本店の大部分の売り場へのヨドバシカメラの出店計画もそのまま進む見通しだ。労組は28日午後にも井阪社長らと交渉したが、妥結点を見出せなかった。危機感を強めた労組はスト実施の通知する決断に至った。

セブン&アイが売却先として選んだフォートレスは、家電大手のヨドバシホールディングスと手を組んだ。両者は西武池袋本店の大規模な改装計画を策定。駅改札に近くて通行量が最も多い北館・中央館の大部分のフロア(一部報道では地下1階〜地上7階の8フロア)にヨドバシカメラを入店させる。単に百貨店に家電量販店が入るというのではなく、立地や面積においてもヨドバシカメラを核にした“ヨドバシ百貨店“に転換することになり、必然的にアパレルや服飾雑貨などその他の売り場は大幅に縮小する。

収益の大黒柱である西武池袋本店が失速すれば、他の全国9店舗の店舗運営にも支障をきたし、百貨店としての事業継続や雇用維持が不可能になる。にもかかわらず、セブン&アイの経営陣からそごう・西武労組に対して十分な説明に機会が設けられなかった。不信感を強めたそごう・西武労組は7月にスト権の確立の賛否を問う組合員投票を実施し、9割以上の賛成でスト権を確立した。

8月に入ると、セブン&アイは西武池袋本店の改装計画に慎重な姿勢と言われたそごう・西武の林拓二社長を解任し、後任に田口広人氏が就くトップ人事を発表した。さらに24日にはそごう・西武の臨時株主総会を開き、新たにセブン&アイ兼務となる3人の取締役を選任。セブン&アイ出身者が取締役の過半を占める体制にした。そごう・西武の売却を急ぐ人事シフトだと見られている。

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