ファッション甲子園実行委員会は、第22回全国高校ファッションデザイン選手権「ファッション甲子園2023」の最終審査会を8月27日、弘前市民会館で開催した。39都道府県から97校1044チームの応募があり、35チームの作品が最終審査会に残った。
審査員はファッションディレクターの原由美子、クリエイティブディレクターの天津憂、繊研新聞記者の⻘木規子が参加し、ゲスト審査員にファッションデザイナーの岩谷俊和、特別賞選考に海外ファッションブランド協会会⻑の有賀昌男が参加した。
優勝は、石川学園横浜デザイン学院で大会史上初の2連覇を達成した。“呼吸”という作品は、全体のフォームを彫刻のようになめらかなラインで仕上げ、チュールとレースの素材感で呼吸の浅さ深さ荒さなど多面的な表現をした。準優勝は、バンタンデザイン研究所高等部東京校の“一つの命”という作品。大小さまざまな動物をひとつの服にのせて、どんな生き物でも影響し合いつながりながら生きているという意味を込めた。第3位と出場チームの引率教員の投票によって決定するキラリ賞を受賞したのは宇部フロンティア大学付属香川高等学校の“富嶽三十六景 神奈川沖浪裏”という作品だ。北斎の波の勢いと曲線美を衣装に表現した。
特別賞「海外ファッションブランド協会賞」を受賞したのは⻘森県立弘前実業高等学校の“インサイド”。コロナ禍の3年間に秘めてきた心の色を表現した。審査員特別賞「原由美子賞」を受賞したのは愛媛県立松山南高等学校砥部分校の“潜る”という作品。刻々と表情を変える海に潜る海女に思いをはせたという。愛媛県立松山工業高等学校の伝統染織品である帯を使用した“イザナギとイザナミ”は審査員特別賞「天津憂賞」を受賞。東京農業大学第三高等学校の、戦争と疫病による苦難からの解放を願って制作された“ジャンヌダルク”は、審査員特別賞「⻘木規子賞」を受賞した。ゲスト審査員特別賞「岩谷俊和賞」を受賞したのは兵庫県立⻄脇高等学校の“ドリーマー”という作品で、無邪気な女の子のままでいたいという願望と葛藤を表現した。