「WWDJAPAN」のソーシャルエディターは毎日、X(Twitter)やFacebook、Instagram、TikTok、そしてThreadsをパトロールして、バズった投稿や炎上、注目のトレンドをキャッチしている。この連載では、ソーシャルエディターが気になるSNSトレンドを投げかけ、業界をパトロールする記者とディスカッション。業界を動かす“かもしれない”SNSトレンドの影響力や、投稿がバズったり炎上してしまったりに至った背景を探る。今、SNSでは何が起こっているのか?そして、どう向き合うべきなのか?日々のコミュニケーションのヒントにしたい。今回は、かつて次々誕生したサブスクリプション・サービスの話。
ソーシャルエディター津田:先日、いつものようにSNSをチェックしていると、洋服の月額制レンタルサービス「エアークローゼット(AIRCLOSET)」を運営するエアークローゼットの株価が年初来安値更新というニュースがありました。昨今、洋服のサブスクリプションサービス(以下、サブスク)の需要は、どうなっているんでしょうか?私や私の周りにはファッションが大好きで、サブスクには無いようなエッジが効いた服や人と被らないニッチな服に価値を見出していたりする人が多いので、「気軽にたくさんの洋服を楽しむことができる」「似合うを見つけられる」といったメリットがあるのはわかりつつも、実際、どのくらい需要があるのかはっきり理解していません。また、継続する消費者がどの程度いるのかも気になります。配信系のサブスクと違い、物が家に届くので忘れているうちに毎月課金されている、なんてことは少なそう。提供されるアイテムの価値がサブスクのコストを下回ると感じたら、即時解約に繋がりそうです。同社以外にも洋服のサブスクを運営している企業はたくさんありますが、成長を続けるにはどういったサービスがあると魅力的なのでしょう?
記者村上:「エアクロ」の商況については、「WWDJAPAN」のスタンダード会員向けに配布した「ビジネスリポート」(8月28日号付録)に詳しく書いてあるのでチェックしたいですね。サービス自体のニーズは、高いと思いますよ。私や津田さん、津田さんの友達は自分の好みがハッキリしているし、好みを見つける労力を厭わない人種だと思うけれど、世の中には、「選択肢が多すぎて選べない」とか「選ぶ時間がない」「失敗したくない」という人が数多いと思います。究極、パーソナルカラー診断や骨格診断も、同じような悩みに寄り添うサービスだと思っています。実際、「エアクロ」ユーザーのボリュームゾーンは、仕事や育児に忙しい30〜40代の主婦です。
直近は、コロナの影響が大きかったのではないでしょうか?もちろんリラックスアイテムの需要はあったと思うけれど、お出かけ頻度が少ないから、定期便を休止していた人は多いのではないでしょうか?実際、 天沼聰社長兼CEOは直近のビジネスについて、「コロナ禍で無料会員になった方の復活も増えている」とおっしゃっています。ということは、コロナ禍は有料から無料へのダウングレード会員も多かったというワケで、株価の年初来安値はこのあたりも影響しているかもしれませんね。
今後の取り組みの注目は、ウォルト・ディズニー・ジャパンとのライセンス契約で始める「ディズニー ファッション クローゼット」です。注目はディズニーより、「エアクロ」初の都度課金型サービス。つまり、「着てみたい」と思う度に課金して洋服を取り寄せるサービスです。もはやサブスクじゃないけれど(笑)、だからこそどんな新規ユーザーが獲得できて、彼らをサブスク会員に繋げられるか?がポイントですね。
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