そごう・西武労働組合は31日、西武池袋本店でのストライキを決行した。同店は全館臨時休業となった。百貨店のストは実に61年ぶり。労組が抵抗を強める一方で、親会社セブン&アイ・ホールディングスは臨時取締役会を開き、そごう・西武の売却を決議した。戦後の小売業にとっても激動の日となった8月31日を時系列でレポートする。
午後3時 セブン&アイが9月1日での売却を正式発表
正午過ぎから一部で報じられていたが、15時にセブン&アイはそごう・西武をフォートレス・インベストメント・グループに売却するこをと決めたとリリースを発表した。9月1日で売却が完了し、そごう・西武はセブン&アイから離れる。スト決行の焦点だった売却の延期は、実現しなかった。
午前11時 そごう・西武労組が街頭活動で理解と支持を求める
そろいの白いベストを着たそごう・西武労組の組合員たちが街頭活動を始めた。「ただいま労働者の権利としてストライキ(就業拒否)を実施しています」と書かれたビラを通行人に配る。青いのぼりや横断幕には「池袋の地に百貨店を残そう!」「西武池袋本店を守ろう!」といったメッセージが書かれていた。ビラを受け取った年配の女性は「ずっと利用している百貨店なので、今のまま頑張ってほしい」と話した。同じ頃、東池袋の公園付近でそごう・西武労組によるデモ行進が行われた。三越伊勢丹など同業の労組も参加し、連帯を示した。
午前10時 顧客「ストは働く人の権利。応援したい」
通常であれば、開店時刻だが、シャッターは下ろされたまま。ところどころに貼られた「臨時閉館のお知らせ」をスマホに収める人が目立つ。西武線沿線に住み、毎週店舗で買い物するという40代の女性は「ストで営業しないのは残念だけど、ストは働く人の権利なので応援したい」と話した。また30代の女性は「おしゃれな洋服や化粧品が充実してこその西武。大きなヨドバシカメラが入ると、デパートのイメージが損なわれる。池袋にはすでに家電量販店はたくさんあるし、私は(ヨドバシの大型店の出店に)賛成できない」と焦点になっている改装案に疑問を呈した。
午前9時30分 ストを支持する団体が赤いのぼりを立てる
池袋駅東口の西武池袋本店の前では、ストを支持する団体などが赤いのぼりをたて、「そごう・西武のストを支持します」と言いながら通行人にビラを配っていた。この時点では、そごう・西武労組の関係者の姿は見られなかった。既にざっとみて100人ほどの報道陣が取材を行っていた。一般の通行人がスマホで撮影する姿も目立った。