ファッション事業を引っ張る5人　ブランドディレクター、トレーナー店長、PR本部長、グラフィックデザイナー、EC担当

マッシュグループは今やファッション&ビューティの両分野で国内のリーディングカンパニーと言えるまでに成長したが、その原動力は「人」にある。企画や店頭で活躍する花形職種から縁の下の力持ちまで、社員22人の仕事を紹介する。本記事で登場するのは、ファッション事業を引っ張るトレーナー店長、EC担当、PR本部長、グラフィックデザイナー、ブランドディレクターの5人。（この記事は「WWDJAPAN」2023年9月4日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください）

トレーナー店長

小笠原悠（おがさわら・ゆう）／マッシュスタイルラボ レディス営業本部 営業1部 トレーナー店長　プロフィール

入社以前はバンドマンとして活動しており、2016年にマッシュスタイルラボに入社。21年に社内のロープレ大会での優勝を経て、関東エリアのトレーナー店長に。店長でも見えない潜在的な課題を見つけ、改善に取り組む。接客技術の指導やスタッフのケア・育成も行う。　PHOTO：MASASHI URA

"ナンバーワン"の販売力で現場指導

全国に76店舗を構え、マッシュスタイルラボの中でもトップクラスの知名度・人気ブランドの「ジェラート ピケ（GELATO PIQUE）」。店長の行き届かない業務や、スタッフのケア・育成を行うトレーナー店長は、現場のスタッフにとって心強い存在だ。レディス営業本部営業1部のトレーナー店長である小笠原悠さんは、関東エリアの「ジェラート ピケ」を担当し、店頭のスタッフが抱えるさまざまな問題の解決や接客の技術指導に当たる。普段は西は町田、東は錦糸町まで忙しく回り、担当店舗を幅広くケアするのが日課。また、店舗ごとのファンを作るためのインスタライブに、現場でセンスの光るスタッフを登用するのも小笠原さんの業務だ。

トレーナー店長の仕事には、全国でもトップクラスの繁忙店である新宿ルミネ2店で働いた経験が生きている。店頭スタッフが目の前の仕事に忙殺されてしまうと、本人たちも知らず知らずのうちに視野が狭まり、接客サービスやチームワークの足並みが乱れていく。現場の厳しさを知る小笠原さんだからこそ、今は第三者的な視点で店舗の強みや課題を発見し、アドバイスすることができる。例えば小笠原さんが担当した表参道ヒルズ店は、コロナ禍にオープンしたこともあって集客に苦戦する状況が続いていた。「間違いのない買い物ができると思ってもらえる店作り」をサポートし、今では毎月売り上げ予算の1.5倍を叩き出すほどになった。

入社以前は、音楽の道でプロを目指していたという。音楽活動に一旦切りをつけ、新しい挑戦をしたいと考えていた時、引かれたのが「ジェラート ピケ」だった。バンドマンを目指していた彼女の新天地としては意外にも思えるが、「音楽と同じように、プレゼントやギフトは生きる上で必ずしも必要ではないもの。それにも関わらず圧倒的に支持される、『ジェラート ピケ』の癒しの力ってどんなにすごいんだろうと思った」。そんな経緯から、興味本位で飛び込んだ世界だった。だが入社から5年後（2021年）の社内ロープレ大会では2700人のトップに上り詰めるほど、販売の面白さにのめり込んだ。

ロープレ大会に出場した経験は、トレーナーとしての指導の自信と説得力につながっている。販売の奥深さを知り、接客に対する考え方が変わるきっかけにもなった。「販売員はモノを売っているのではなく、『親切』を売っている。その親切を気に入ってくれた人がリピーターになり、顧客となり、ブランドのファンになってくれる」。その気づきが、今の小笠原さんが現場のスタッフに教える接客技術に結びついている。「たくさんチャンスをいただいた分、後輩スタッフたちにもたくさんチャンスを与えていきたい」。育った環境や年齢の異なるスタッフたちと仕事をし、刺激を受ける。そんな毎日に、また新しいやりがいを見出す。