専門店チェーン、セレクトショップの2023年8月度売上高(既存店ベース)は、高気温に恵まれて各社で夏物販売が好調で、前年実績を上回ったという声が中心だ。秋色夏素材などの端境期向けの新商品の動き出しもいい。
国内ユニクロは前年同月比7.1%増、これにより23年8月期12カ月間の既存店売り上げは速報値で前期比7.6%増で着地した。ただし客数は12カ月のうち8カ月で前年割れで、通期では前期比3.1%減、8月単月も前年同月比1.4%減だった。一部商品の値上げにより、客単価は通期で前期比11.1%増となった。「8月は秋物を含め、1点単価の高いプロパー(定価)販売商品が売れた。値上げした一部の商品も問題なく支持されている」と広報担当者。好調アイテムは“ラウンドミニショルダーバッグ”やCMで打ち出しているカーゴパンツ、“3Dメッシュクルーネックセーター”など。
しまむらの「ファッションセンターしまむら」(7月21日〜8月20日で集計)の売上高は前年同月比12.0%増と、11カ月連続の前年実績超え。8月度の客数は同5.1%増、客単価は同6.2%増。「高気温と、夏のお出掛け需要や帰省需要の正常化」(発表資料から)によりウィメンズ、メンズ、キッズのウエアや帽子・アームカバーなどの雑貨、冷感肌着や寝具が売れた。「水着や浴衣も好調だった」。
良品計画の「無印良品」の売上高は同6.4%増、客数は同5.0%減、客単価は同12.1%増。衣服・雑貨カテゴリーに限ると売上高は同23.6%増と大幅増で着地している。「端境期商品の投入が奏功した」(発表資料から)という。
アダストリアの売上高は同11.2%増と、18カ月連続の前年実績超え。8月度の客数は同3.8%増、客単価は同7.1%増だった。「夏物商品の販売が好調で、晩夏商品への移行も順調に進んだ」(発表資料から)。好調アイテムは冷感素材などのカットソーやパンツ類、服飾雑貨はサンダルやボディーバッグ、ペットボトルホルダーなど。
ユナイテッドアローズの売上高は同3.7%増で、9カ月連続の前年実績超え。「夏物の定価販売商品に加え、秋物の動き出しもいい」(発表資料から)という。8月度の客数は同11.8%減、客単価は同17.6%増。「セール抑制によりセール構成比の高いECが苦戦したものの、実店舗既存店は堅調に推移している」といい、客数の大幅減もそれによるものと見られる。