毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2023年9月4日号からの抜粋です)
本橋:お仕事図鑑の2回目ということで、マッシュグループを特集しました。1回目がLVMHジャパンで外資系だったこともあり、今回はブランドディレクターやMD、生産管理、バックオフィスまで、よりいろんな職種の人を取材し、業界で働くことの面白さを紹介しました。
澤田:オーガニックコスメカテゴリーで、トラフィックの多い駅前でセレクトを運営できるのは、マッシュグループだけで、国内では一強状態。都市型ショップは世界でも珍しい存在です。
本橋:そうなんですね。僕は「スナイデル」などを展開するマッシュスタイルラボ担当になって5年ほど。今回ほとんどの取材に立ち会いましたが、みなさん、職務を全うしているのはもちろん、マッシュにいることや自分が作っているものに誇りを持っていて、会社への愛も強く感じました。澤田さんが取材した下田裕華さんの「オーガニックコスメに人生賭けたい」という開口一番の台詞は、特に印象深かったですね。
澤田:はい。スキンケア業界一筋で働いてきて、残りの人生をオーガニックコスメに賭けたいと一念発起した下田さんが入りたいと思った会社は、マッシュビューティーラボだけだったそうです。48歳で店頭スタッフのトレーナーとして入社して、わずか数年でバイヤーの部長職にスピード昇進しました。ステップアップの契機になったのは、コロナ禍でPRと一緒に行ったインスタライブで、そこで彼女の知識や仕事ぶりが可視化されたそうです。エイジングや更年期についても語れるというのも若い社員が多い中でプラスに働いたといいます。「共感」重視で、「ビジネスに走ってはいけない」と語っていたのが、印象的でした。本橋さんが面白いと感じた職種はありましたか?
本橋:グラフィックデザイン部の沖田まはらさんの仕事内容が、ダイナミックで驚きました。新ブランドのロゴを作ったり、ブランドビジュアルの撮影に立ち会ったり、肩書だけではちょっと分からないようなことを、センスを生かして、さまざまな分野で力を発揮していました。今回取材した方々に共通しているのが、大変さはあるけれど、目の前の仕事が「本当にやりたくてやっている」ということ。自分のやりたいことに熱中する人たちがたくさんいるのが、グループ全体の勢いにつながっていると感じました。