フランスのカシミヤブランド「ペラフィネ(PELLAT-FINET)」は、デザイナー兼コンサルタントのドリス・ラーサン(Dryce Lahssan)をクリエイティブ・ディレクターに任命した。創業者のルシアン・ペラフィネ(Lucien Pellat-Finet)退任後初のクリエイティブ・ディレクターとなるラーサンは、コレクションとブランドイメージを監修。秋の2024年春夏パリ・ファッション・ウイーク中に、ステートメントピースのセレクションを含む初のコレクションをバイヤーやパートナー向けに披露する予定だ。
ラーサン新クリエイティブ・ディレクターは、パリのファッションスクール、スタジオ ベルソー(Studio Bercot)を卒業。「ブルガリ(BVLGARI)」や「メアリー カトランズ(MARY KATRANTZOU)」などのブランドのコンサルタントを務める傍ら、10年には自身のトレンチコートに特化したブランド「ラーサン(LAHSSAN)」を立ち上げた。「ペラフィネ」に加わることについては、「このような常識を打ち破るマインドセットから生まれたブランドを引き継ぐことは、またとないチャンスだ」とコメント。「私は常にラグジュアリーを再定義し、破壊的なアプローチでラグジュアリーを未来へと前進させようとしている。最高のカシミヤ職人や工場と働きながら、それに取り組めることが楽しみだ。『ペラフィネ』は、ラグジュアリーと自己表現の間にある現代的なバランスの上に成り立っているブランド。そのバランスが、私に新たなデザインコードでブランドの未来を思い描く大きな自由を与えてくれる」と付け加えた。
来年30周年を迎える「ペラフィネ」は、1994年に「ルシアン ペラフィネ(LUCIEN PELLAT-FINET)」として設立。マリファナの葉やスカルなどのモチーフをあしらった色鮮やかなカシミヤセーターで一躍有名になった。2019年、破産手続きに入り裁判所の管理下にあった同ブランドを、フランスのコンテンポラリーブランド「ザディグ エ ヴォルテール(ZADIG&VOLTAIRE)」の創業者であるティエリー・ジリエ(Thierry Gillier)が買収。21年にブランド名を「ペラフィネ」に改めるとともにロゴなどを刷新し、よりミニマルでタイムレスな高級ニットへと軸足を移した。また今年、有名ブランドが軒を連ねるパリ・サントノレ通り(326 RUE SAINT-HONORE, 75001 PARIS)にもショップを開き、認知の向上とビジネスの発展を目指している。
なお、伊藤忠商事子会社のコロネットがディストリビューションを手掛ける日本では、現在も「ルシアン ペラフィネ」としてブランドを運営。海外で展開されている「ペラフィネ」のコレクションを輸入販売しているほか、「ラミダス(RAMIDUS)」など日本のブランドとのコラボレーションなど日本独自の商品も販売している。今後の方向性にについて、同社はパリと連携しながら(輸入販売する)商品の企画を行うとともに、長年の信頼関係から実現したフレキシブルなローカライズMDに取り組み、グローバルでのリブランディングと日本での展開を連動させていくとしている。