マッシュホールディングス(以下、マッシュHD)の社風や哲学、スローガンを深く知るため、これから就職活動を行う学生3人との座談会を企画した。2人の人事部員が、同社の強みやサステナビリティへの想いを語った。学生の価値観にも注目したい。若い世代が共感する考え方こそ、マッシュHDの強さの秘けつだ。(この記事は「WWDJAPAN」2023年9月4日号からの抜粋です)
WWDJAPAN(以下、WWD):マッシュHDは、ファッションやビューティ、フードなど、事業が多彩です。多角展開するグループの強みは何ですか?
秋山輝之マッシュHD執行役員CHRO兼人事部長(以下、秋山):ファッションやビューティ、フードの中には、スポーツや健康、暮らしも存在します。マッシュHDのスローガン「ウェルネスデザイン」は、現代人の24時間のいろんなシーンで幸せを届けることを目指すもの。それはビジネスとしての強みでもあるんです。いろんな視点を組み合わせたり、掛け合わせたりできれば、ユニークな価値が生まれますから。企業ロゴにいっぱいある矢印は、連鎖を意味しているんです。人事の側面からお話すると、マッシュにはいろんな専門性を持った人たちがいます。この人たちの掛け合わせや連鎖も、とても面白い。それもまた、ビジネスとしての強さです。
木村文Rethink Fashion Waseda幹部(以下、木村):企業としてどうやってまとまり、統一感を生み出しているのか知りたいです。
秋山:当社は企業理念を大事にしています。ばらばらになってしまうと強さは失われるけれど、一方で多様性は大事。「多様性を高める」という企業理念に共鳴した人が集まっている組織なので、統一感が存在するんだと思います。
WWD:社員に求める能力や資質は?
秋山:私たちには「五つの考え方」という、とても大事な指針があります。まずは、やっぱりお客さまを第一に考えます。二つ目は、ベクトルを合わせる。三つ目は、自ら燃える人になろう。四つ目が、正しい愛情。そして最後が、常にクリエイティブな仕事をしようです。資質や能力というより、この考え方に共鳴して仕事ができるか?が大事。特定の能力を求めるよりはむしろ、「五つの考え方」を心掛けてほしい。長期的に考えたとき、正しい愛情はとても大事です。
半田由華マッシュHD人事部 人材開発課主任(以下、半田):2024年度の新卒採用では、「好きを未来へ」を採用スローガンに据えました。今日集まってくださった皆さんのような「ファッションが好き」「コスメが好き」「飲食が好き」は、一番大事。特に新卒採用では重視しています。
WWD:学生の皆さんは、アパレル企業に就職したいという思いはありますか?
橋本杏佳Keio Fashion Creatorプレス担当(以下、橋本):私は、服の作り手の思いを正しく広められる存在になりたいと思い、アパレル企業だったら広報に携わりたいです。意識しているのは、多くの人の意見を自分の考えと照らし合わせながら、独自のスタイルや軸を明確にすることです。
秋山:勘違いしてしまいそうなのは、自分のスゴい発想を実現するだけがクリエイティビティーではない、ということ。デザイナーでもプレスでも、若いうちは「自分で何か作らなきゃ」みたいなクリエイティビティーを想像しがちですが、そこにみんなでプラスして作り上げていくプロセスの方が重要だと思いますね。ただベースは、やっぱり自分の意見や考え。私たちは「自ら燃える人」を評価します。
長谷川響大AOYAMA FASHION ASSOCIATION副代表(以下、長谷川):僕は、服同様に車も大好きなんです。特に高級車は、デザインが重視されていて好き。ファッション業界と似ていると思います。環境に負荷をかけているところも。
木村:私のサークルはサステナビリティを軸に、ファッション業界の人権問題や環境問題を考えています。
秋山:私たちは、サステナビリティをとても大事にしている会社です。人と社会の調和こそサステナビリティなんですよね。だからコスメでもナチュラル&オーガニックにこだわって、永続できるものにしています。洋服の素材も、サステナブルなもの選びを心がけています。
「世の中にないものをデザインする」という土壌
WWD:若い世代はサステナビリティに対する姿勢を企業選びで重視すると一般的に言われます。実際はどうですか?
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。