「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」が2024年春夏ニューヨーク・ファッション・ウィーク(NYFW)の初日となる9月8日(現地時間)に2024年春夏コレクションを発表した。会場はニューヨークの街並みを見渡せる空中庭園の「ハイライン」だ。まだまだ残暑が厳しいニューヨークだが、プレゼンテーション会場に飾られたいくつもの大きな白い花のオブジェは、生命が芽吹く春の象徴。花が開くパワーとエネルギーは、これから待ち構えるニューヨークの長い冬を飛び越えて春を迎える高揚感のようだ。
グリーンの芝生の上に並んだモデルたちが身にまとうのはペールブルーやフレッシュなライムイエロー、ピュアホワイトなど、春を感じさせる若々しい色合い。スパンコールのセットアップやミニドレスも冬のワードローブを脱ぎ捨てた瞬間の前向きな感情を表しているかのようだ。「今シーズンはマンハッタンで初めて春を垣間見る瞬間というアイデアから始まった。春の訪れで活気づいた街には、開放感と興奮、これから起こることへの希望をかき立てる感覚がある。そんな普遍的な感覚と喜びを祝福している」とトム・モーラ(Tom Mora)=シニア・バイス・プレジデント兼RTW&ライフスタイル部門デザイン責任者とジェニファー・リュウ(Jennifer Lyu)=シニア・バイス・プレジデント兼レザーグッズ&アクセサリー部門デザイン責任者。
コレクションは「ケイト・スペード」らしいプリーツスカートやAラインのミニドレス、ツイード風ジャケットなど、ガーリーなニューヨークの子女を彷彿とさせるルックに、パールのアクセサリーやコサージュ使いが優しい春の装いを強調している。ガーリーなルックの対局としてスポーティーなライトコートやキャップ、リラックスしたパンツスタイルも登場した。「ケイト・スペード」は近年、ブランドのDNAを継承しながらも若返りを図っている。今季のコレクションでは1999年にケイト・スペードとアンディ・スペードが発表した名作「ノエル」プリントをトム・モーラとジェニファー・リュウがモダンに再構築した。
ブランドの核となるレザーグッズもアイコニックなアイテムで溢れた。今シーズンの象徴とも言える白い花はレザーバッグに大胆に使用し、ポインテッドトゥのパンプスにも大きくあしらった。スタイリングのアクセントとして加えたコサージュも今季らしい。フラワーコサージュのついたミニバッグは店頭でも人気のアイテムとなりそうだ。
今季のコレクションはプレゼンテーション終了後に一般公開したほか、モデルのアオキ・リー・シモンズ(Aoki Lee Simmons)とパートナーシップを組み、SNSを通じてプレゼンテーションの舞台裏を紹介している。会場は女優のクリスティーナ・リッチ(Christina Ricci)などのセレブの他に、ポップなカラーとガーリーなスタイリングに身を包んだ“ケイト・スペードガール”たちで溢れかえった。