一審判決では「トム ブラウン(THOM BROWNE)」に軍配が上がった「アディダス」とのストライプ商標権侵害訴訟だが、「アディダス(ADIDAS)」が、ジェド・ラコフ(Jed Rakoff)判事が「(商品の)販売時点で(消費者が両ブランドの商品を)混同する可能性」に関して陪審員に不正確な説明を行ったと主張し、再審請求を行ったため、法定バトルは第二ラウンドに突入している。
「アディダス」はそのほかにも、判事が「アディダス」側が用意した専門家のうち、1名の証言を排除する決定を下したが、「トム ブラウン」の専門家にはアパレルへのストライプの使用に関する証言を認めたことを「不可解な決定」だと主張する。これに対して「トム ブラウン」側は8月、判事の説明はミスリーディングなものではなく、「トム ブラウン」が用意した専門家の証言は「『アディダス』を害するものではなかった」と反論し、再審請求を却下するよう求めている。
両者の代理人からはコメントをえられなかった。
今後、双方が追加の準備書面を提出し、口頭弁論を行うことになるが、一般的には結論が出るまでかなりの時間を要するという。法曹関係者によると、本件のような事案では控訴は珍しいことではないが、控訴審では陪審評決を覆すことを嫌うという。
「アディダス」は、「トム ブラウン」がアパレルなどに採用した4本線のストライプ柄やブランドのトレードマークでもあるトリコロールカラーのグログランリボンが「アディダス」の商標権を侵害しているなどとして、約800万ドル(約11億6800万円)の損害賠償求めて「トム ブラウン」を提訴していたが、今年1月、8人の陪審員は「トム ブラウン」の商標権侵害を否定していた。