ファッション

【レポート】「コム デ ギャルソン・オムプリュス」2017年春夏パリ・メンズ 裸の王様が誇らしげに物語るファッション

 ファーストルックの袖をカットオフしたダブルのコートは、半透明の塩化ビニル素材。ブラックのバミューダパンツに、足元は同じくビニル素材の「ナイキ」のスニーカー。そこから一貫して、王冠をイメージさせるヘッドピースとシースルーのアイテムが続く。「コム デ ギャルソン・オム プリュス」2017年春夏のテーマは、アンデルセンの童話「裸の王様」だ。

 王様の透明なコートには、大きさの異なる赤や黒のチェックなど、さまざまなデザインが加わる。さらにはストライプのシャツ地とのハイブリッド、同素材のショートパンツの上からのレイヤードなど、ビニル素材は今季のキーマテリアルだ。一方、ビニル素材以外のアイテムでは、唇や王様のヒゲにフォーカスした口元と、水玉を合わせたモチーフのセットアップが印象的。唇とヒゲは、裸の王様をウワサする群衆と、それには全く気付かない彼自身をイメージさせる。

 終盤には「王様は裸だ」というメッセージがプリントされた透明のコートが再び登場。ただその下には、「でも、これが僕のファッション」という王様のメッセージもプリントされた。

 物語では裸だった王様は、ランウエイでシースルーのアウターを身にまとい、これが僕のファッションだと誇らしげに歩く。自分の道を突き進む強さを持った「オム プリュス」らしさを醸し出した。

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