花王は29日、2013年1〜6月の第2四半期の連結業績を発表した。子会社であるカネボウ化粧品の美白製品自主回収の影響を受け、損失費用として販売店からの回収費用など約28億円を売上原価に、今後の治療費などを見込んだ56億円を上期の特別損失に計上。結果、上期の純利益を当初予定の190億円から183億円に、通期の最終利益を同じく730億円から670億円に引き下げた。
30日に開かれた会見で、花王の澤田道隆・社長は「お客さま及びお取引さま、株主さまにご迷惑とご心配をおかけし、大変申し訳なく思っている。原因究明、再発防止に花王グループ一丸で取り組む」と述べ、通期の売上高が当初予想から100億円減、営業利益が60億円減になる見込みであることを明かした。なお、上期の特別損失に計上した56億円に、被害者への慰謝料は含まれておらず、損失が膨らむ可能性も考えられる。「認識した中では、可能な限りの対応をしたが、もう少し早く対応していれば被害も少なかったと思う。反省しなければいけない部分はある」と見解を示した。
一方、アジアでのサニタリー用品、衣料用洗剤などの売り上げ好調を受け、花王の上期の売上高は対前年同一期間比108%の6250億円、営業利益は同123.2%の429億円だった。